テーマ:演奏法

フレージングとアーティキュレーション

寺西肇著「古楽再入門」の第4章キーワードで知る古楽の思想、の章に下記のような記述があったので少々長くなるが引用しておく。 音楽におけるフレージングとアーティキュレーションは、それぞれ、話し方におけるイントネーション(抑揚)と言葉遣いに例えられようか。フレージングはダイナミクス変化と、アーティキュレーションはリズムと緊密な関係を持つ…
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「魔笛」の速度記号~その1 第一幕~

モーツァルトが使用した速度記号は、下記の順に速くなるものとされている。 ラルゴ/アダージョ・モルト →アダージョ →ラルゲット/アンダンティーノ →アンダンテ →アレグレット →アレグロ →プレスト ここで注意しなくてはならない点は、ラルゲットとアンダンティーノであり、現代の楽典には下記の順に速くなると書かれているケースが多い。 …
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バロックから初期古典派における表現について

橋本英二著「バロックから初期古典派までの音楽の奏法」(音楽之友社/2005)における、表現に関して適宜引用してみる(以下、引用であるが斜体ではなく太字とする)。 当時の作曲家がフレージングやアーティキュレーションを楽譜に示さなかったのは(つけていることもあるが、一貫して詳細を伝えている例はまずない)、テンポやダイナミクスの問題と同…
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バロックから初期古典派におけるダイナミクスについて

橋本英二著「バロックから初期古典派までの音楽の奏法」(音楽之友社/2005)における、ダイナミクスに関する章から適宜引用してみる(以下、引用であるが斜体ではなく太字とする)。 バロックから初期古典派までの手稿譜や出版楽譜で、ダイナミクスの指示が欠けているのは、テンポ表示の省略以上にめだつ。これは前章で説明したことと同じで、フォルテ…
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バロックから初期古典派におけるアーティキュレーションについて

橋本英二著「バロックから初期古典派までの音楽の奏法」(音楽之友社/2005)を読み直していたら、アーティキュレーションについて下記のような記述があった(以下、引用であるが斜体ではなく太字とする)。 アーティキュレーションとは1音から次の音へ移る方法である。すなわち2音を切るかつなぐか、切るとするとどのくらいにするかということで、こ…
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曲全体のテンポのバランス

コレルリ:合奏協奏曲作品6 第8番ト短調 のメンスーラ記号について調べようと思い、 http://zauberfloete.at.webry.info/201505/article_18.html 「正しい楽譜の読み方~バッハからシューベルトまで~」大島富士子著(現代ギター社/2009.9) http://zauberfloete…
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コレルリ:合奏協奏曲 作品6 第8番ト短調

一般的にはクリスマス協奏曲と呼ばれているこの曲、私はカラヤン=ベルリン・フィルのCD(DG/1970)ばかり聴いていたので、この曲の冒頭二小節にはヴァイオリンの装飾が入るものだと思っていた。 今回、初めてスコアを見てみたのだが、 http://petrucci.mus.auth.gr/imglnks/usimg/9/9e/IMSLP…
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ヴィオローネ

ヴィオローネと言えば、コントラバスにつながる大型低音楽器と単純に考えがちだが、必ずしもそれだけではなかったらしい。まずWikipediaを見てみる。 ヴィオローネ(伊・独:Violone)は、ヴィオール属の擦弦楽器で、16~18世紀頃ヨーロッパで用いられた古楽器。 ヴィオラ・ダ・ガンバと同属の最低音域楽器であり、コントラバスの先祖に…
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ストラッシナンド/strascinando

ハイドン作曲 交響曲第89番ヘ長調(第一楽章開始は「証城寺の狸囃子」のテーマ、第二、四楽章はリラ・オルガニザータ協奏曲からの編曲ものとして有名)の終楽章、第16、84、153各小節にこの指定がある。 音楽用語で、「音を引き伸ばしながら、ゆっくりと」または、「音を引きずるように、足を引きずるように」という意味とのこと。イタリア語の動詞 …
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強弱記号

ブラームス:交響曲第3番第一楽章36小節、四分の九拍子のクラとファゴットによる第二主題、ここには p:ピアノ、グラツィオーソ(優雅に)という指定に加え、mezza voce(メッツァ・ヴォーチェ)と書かれている。本来、「声量を落としやわらげた声で歌う」という声楽用語だが、器楽においても「柔らかに/柔らかく」という意味とされる。 一方、…
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「古典派の音楽~歴史的背景と演奏習慣~」

原題はA Performer's Guide to Music of the Classical Period、アントニー・バートン著/角倉一朗訳で音楽之友社よリ2014年10月に出版されたもの。有用な箇所を下記に抜書きしておく。 第1章歴史的背景 ●どんな楽曲の演奏でも、後続するものではなく先行するものを常に指針としなければな…
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鈴木雅明著「バッハからの贈り物」

モーツァルトのCDは、少なく見積もっても私が持っている全CDの半分以上は占めているだろうし、モーツァルトに関する書籍も少なからず所有しているが、バッハについては、ある程度有名な曲は一応知ってはいるものの、CDも多くは持っていない。そして書籍/文献は探してみたところ、「バッハの四季」樋口隆一著(平凡社/2000)くらいしか見つからなかった…
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ブラームス:二重協奏曲第二楽章のフレージング

10月の演奏会でこの曲を演奏するのだが、第二楽章の主題のフレージング/解釈の統一が不十分なような気がしている。6つの音符にスラーが付いているADEAFisD という音型を、どのようなフレーズとして考えるかということであり、大きく分ければ下記のようなやり方があると思う。 ①6つの音符全体を一つの大きなフレーズとして考える ②冒頭のホル…
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仲道郁代のモーツァルト~フォルテピアノと現代ピアノの聴き比べ~

仲道郁代さんのコンサートを聴いた(7/5第一生命ホール)。曲目は下記の通り。 ○モーツァルト:「ああ、お母さん聞いて」による12の変奏曲ハ長調K265 ○モーツァルト:ピアノ・ソナタイ長調K331「トルコ行進曲つき」 ○モーツァルト:ロンドイ短調K511 ○モーツァルト:ピアノ・ソナタイ短調K310 ○モーツァルト:ロンドニ長…
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森本恭正著「西洋音楽論~クラシックの狂気を聴け~」

光文社新書、初版は2011年12月で新刊ではないが、ひじょうに興味深い内容だった。そもそも私がこの本を知ったきっかけは、「ベートーヴェンの一拍目のスフォルツァンド」について調べていた時にこの本が検索に引っかかってきたことによる。本文中には以下のように書かれている。 「今、暫く弾いていて、・・・久しぶりにベートーヴェンを弾いていて思った…
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モーツァルト:交響曲第31番ニ長調「パリ」第二楽章

ワルターやカラヤン、クーベリックなどはこの曲の録音を残すことはなかったが、第25・29番等と比べてもこの曲の録音はそれほど多くはない。 この曲の第二楽章のテンポが気になったので、とりあえず家にある下記の録音を聴いてみた。これ以外の主要な録音は、アーノンクール、マリナー、スウィトナー、バレンボイム、ホグウッド、ブリュッヘンくらいではない…
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モーツァルト:12のデュオK487(496a) ~その3 ラルゲット~

モーツァルト:12のデュオK487(496a) 、第5曲にはラルゲットの指定がある。 http://zauberfloete.at.webry.info/201405/article_18.html モーツァルトのラルゲットといえば、まず思い浮かぶのは、ピアノ協奏曲(第24・26・27番など)やホルン協奏曲第3番の緩徐楽章、さらには…
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モーツァルト:「トルコ行進曲」の前打音

佐伯茂樹氏の「名曲の暗号」の中に、このテーマが採り上げられているが、 http://zauberfloete.at.webry.info/201401/article_8.html 「木管楽器 演奏の新理論」(ヤマハミュージックメディア/2011.10) http://zauberfloete.at.webry.info/2011…
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「オーケストラで合奏能力を高めるには?」

管楽器専門月刊誌「パイパーズ」2013年8月号(384号)に宮本文昭氏のインタビューが載っている。元々オーケストラプレーヤーの経験が豊富で現在は指揮者である宮本氏が、オーケストラでの合奏能力を高めるための秘策の数々について語っている。たとえば、距離が遠い管楽器は常に遅れる可能性がある。それを避けるためには耳よりも目を使った方が良いという…
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モーツァルトの序奏の速度表示について~その2 ラルゴの序奏~

ラルゴの序奏の付いた曲をとりあえず聴き直してみた。 ●ディヴェルティメントニ長調K205 第1楽章 ラルゴ →アレグロ 序奏は全部で8小節の短いもので、5小節目にフォルテになるところは「ハフナー」セレナーデ終楽章の序奏を思わせる。最後の小節はフェルマータではなく、ヴァイオリン(この曲はヴァイオリンが1パートのみしかない!)の細かいパ…
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モーツァルトの序奏の速度表示について

K361/K370a(「グラン・パルティータ」)の序奏がラルゴであることを思い出したため、念のため思い浮かぶ序奏の付いた他の曲の速度表示(序奏→主部)を確認してみた。 ●セレナーデニ長調K320 第1楽章 アダージョ・マエストーソ →アレグロ・コン・スピリート ●交響曲第36番K425 第1楽章 アダージョ →アレグロ・スピリト…
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「音楽演奏の社会史」

大崎滋生著「音楽演奏の社会史~よみがえる過去の音楽~」(東京書籍/1993)を読んだ。著者は桐朋学園大学教授であり日本の音楽社会史家。私はこれまで「文化としてのシンフォニーⅠ」(平凡社/2005)しか読んだことはなかったのだが、本書はひじょうに興味深い内容だった。 参考)Amazonのサイトからの引用 ・現在、クラシック音楽のイメー…
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モーツァルト:ディヴェルティメント変ロ長調K287(K271H)

ザルツブルクのロードゥローン伯爵夫人のために、モーツァルトは1776年にディヴェルティメントヘ長調K247を、そして翌年1777年6月にこの曲を作曲したとされている。両曲ともK334ニ長調のディヴェルティメントと並ぶ名曲であり、旋律線の自由で伸びやかな飛翔は、このジャンルならではのものと思う。 さて、この曲の終楽章(第6楽章)は、アレ…
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スラーとレガート

レガートは、「なめらかに(音の間の切れ目を感じさせないように)」演奏する「演奏の仕方/方法」であり、 http://楽典.com/gakuten/articulation.html 一方、スラーとは弧状の「記号/名称」であり、レガートとスラーの奏法が異なる訳ではなく、「奏法」なのか「表示」なのかの違いであると説明される場合がある。 …
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「作曲家別演奏法Ⅱモーツァルト」

久元祐子著「作曲家別演奏法Ⅱモーツァルト」(ショパン/2008.9)を読んでいたら、下記のような記述があった。 自筆譜は作曲家自身が書いたものですから、信憑性が高いように見えますが、問題もあります。作曲家が作品を演奏する上で必要な情報をすべて書き残してくれているとは限らないからです。(中略) モーツァルトは、自分で演奏するときは必要…
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モーツァルト:セレナーデ変ロ長調K361(K370a)~その4 モーツァルトが意図した演奏とは~

今年の7月の演奏会でこの曲を演奏することになった。私にとっては2回目の演奏となる。 私が某団体でこの曲を初めて演奏したのは2005年の9月。使用楽譜はベーレンライター版ではあったが、その頃はそれほどスコアを読み込んではおらず、また練習回数もかなり少なかったのでやや消化不良の演奏ではあった。 とはいえその時の演奏には、プロ奏者および現…
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トリルの奏法について

バロックからウィーン古典派あたりまでのトリルの奏法について、あらためて文献を調べてみた。原則としては、「主要音より高い音」からトリルを始めるということではあるが、トリルは前打音と深い関係があるということと、結局のところ、どの音にアクセントを置くかという点がポイントになるのではないかと思われた。 ●レオポルト・モーツァルト:「バイオリン…
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弦楽器のボウイングについて~その2~

レオポルト・モーツァルト著「バイオリン奏法」(原題:Versuch einer Gruendlichen Violinschule)は、1756年に出版された世界初のヴァイオリン奏法に関する本と言われているが、単にヴァイオリン奏法だけでなく、18世紀当時の奏法全般についても知ることができるひじょうに貴重な文献だと思う。そして、日本語版は…
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弦楽器のボウイングについて~その1~

私はアマチュアの管楽器奏者ではあるが、特に最近、弦楽器のボウイングというものは管楽器奏者にとっても参考になるのではと思っている。 佐伯茂樹氏による「木管楽器 演奏の新理論~奏法の歴史に学び、表現力を上げる~」 (ヤマハミュジックメディア/2011.10.15)にも、自然な歌い方をマスターする上で、弦楽器のボウイングは参考になると書かれ…
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