最近読んだ本 2013/2

●「幻の楽器 ヴィオラ・アルタ物語」平野真敏著(集英社新書/2013.1)
ヴィオラ・アルタとは19世紀後半、ドイツのH.リッターが考案したヴィオラの改良種。ヴァーグナーやR.シュトラウスもこの楽器を賞したが、大型で扱いに不便なため一般化しなかった。
もともとヴィオラ奏者だった著者の、この不思議な楽器との出会い、そしてヨーロッパにおけるこの楽器の歴史を辿る旅、謎解きなど、ひじょうに興味深く面白い内容だった。

●「想いの軌跡 1975-2012」塩野七生著(新潮社/2012.12)
これまであちこちに書いていて本には入っていなかった文章を集めたもので、
○地中海に生きる ○日本人を外から見ると ○ローマ、わが愛 ○忘れ得ぬ人びと ○仕事の周辺
という5つの章に分けられている。ずいぶん久しぶりに塩野七生を読んだ。さすがというか鋭い視点とモノの見方にはあらためて感心させられる。

●「快楽上等!3.11以降を生きる」上野千鶴子、湯山玲子著(幻冬舎/2012.10)
上野先生と湯山玲子の対談集。実は私は湯山を知らなかったのだが、 湯山昭の娘で、雑誌や単行本の編集・執筆に加え、広告のディレクション・プロデュースなど出版分野で活躍、現場主義をモットーに、クラブカルチャー・映画・音楽・食・ファッションなど、文化全般に通じている人らしい。
内容的には痛快、新鮮、刺激的で、上野先生に一歩も引けを取らない湯山女史の話は奥も深くおもしろい。

●「女ひとり寿司」湯山玲子著(幻冬舎/2009.4)
上記「快楽上等!」に刺激されて湯山の本を読んでみた。
有名高級寿司店に単身突撃し、主人の品格から常連客の態度、男と女の関係にひとり寿司難易度までディープに観察。あくなき女の冒険心と食への深き欲望を描く痛快エッセイ。
ということでユニーク極まりないグルメ書、というよりは人間観察書。
なお、解説は上野先生が書いており、「おひとりさまの老後」が書かれるひとつのきっかけになったのが本書だという。

●「ビブリア古書堂の事件手帖1・2」三上延著(メディアワークス文庫/2011.3,2011.10)
テレビでも放映中の人気作品。ライトノベルというものの定義はよく知らないが、いずれにしても若者をターゲットとした読みやすいものなのだろう。あまり期待しないでとりあえず読んでみたが、本当に読みやすく楽しめた。古書に詳しい著者らしくかなりマニアックなテーマ(?)も登場するが、当該書の内容を知らなくても十分楽しめる。続編も読んでみたい。

●「おいべっさんと不思議な母子」喜多川泰著(2013.1/サンマーク出版)
著者は1998年、横浜市に学習塾「聡明舎」を設立、2005年から作家としての活動を開始した人。「おいべっさん」とはある街にある小さな公園。その街にある学校の教師と、彼の受け持つクラスに転校してきた石場寅之助が巻き起こす物語。
以前読んだ「おとうさんは同級生」とテーマ的に通じる印象を受けた。
http://zauberfloete.at.webry.info/201212/article_18.html

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