「悲愴」

N響アワーは1月の定期公演からキタエンコ指揮のチャイコフスキー:「悲愴」。
この演奏会を聴きに行った友人から、ファゴットのトップを若い女の子が吹いていたという話を聞いていたので驚かなかったのだが、初めて見た人は驚いたことだろう。この人は福士マリ子さんという方とのことで現在試用期間中であるらしい。また、フルートのトップを吹いていた男性(東フィルの方とのこと)も私にとって初めて見る顔であり、N響の管楽器セクションも世代交代が進んでいることを感じる。N響のHPを見ると、現在、フルート首席1名とクラリネット首席2名を募集しているようだ。
さて、キタエンコの「悲愴」だが、クールというか知的というか、感情に溺れることなく淡々と音楽を進めていた。が、楽譜に忠実かというとそうでもなくて、第一楽章278小節のティンパニをクレッシェンドさせていたりもする。が、個人的には、この曲はもっと感情を込めてロマンティクに歌い込んでも良いのではと思っている。
「悲愴」は私自身かつて演奏したこともあるし、これまで多くの演奏を聴いてきたが、最も大切な演奏はやはりカラヤン=ベルリン・フィルがEMIに残した1971年の録音。
http://zauberfloete.at.webry.info/200704/article_5.html
この時一緒に録音された第4、第5、第6は、カラヤンの数種類におよぶチャイコフスキー後期交響曲集の中でも最も優れた演奏だと思う。録音はやや古くなってしまったが、その音楽が生き生きと躍動感を持っている意味で他の追従を許さない名演と思う。
なお、ここでの素晴らしいティンパニはずっとフォーグラーと私は思っていたのだが、「証言・フルトヴェングラーかカラヤンか」
http://zauberfloete.at.webry.info/200810/article_18.html
の巻末、編集部による補足の章で、この1971年のチャイコフスキーの後期交響曲集(とブルックナー4・7番)のティンパニはテーリヒェンだったと書かれている。あらためて認識を新たにせざるを得ない。

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