ヴァイグレ=読響

録画しておいた「クラシック音楽館」をやっと観た。ヴァイグレ=読響によるコンサート。曲目等は下記の通り。
〇ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
〇シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 作品129
〇バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 BWV1007「サラバンド」(アンコール)
〇ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 作品55「英雄」
〇指揮:セバスティアン・ヴァイグレ
〇管弦楽:読売日本交響楽団
〇チェロ:ユリア・ハーゲン
〇収録:2019年5月24日/サントリーホール

今年から読売日本交響楽団の新たな常任指揮者に就任したセバスティアン・ヴァイグレによる演奏(以下「英雄」について)。
ヴァイグレの指揮は一言で表現すればオーソドックスで端正、タメやルバートなどはあまりせず、やや力が入っているという感じもしたが、概して中庸なテンポでダイナミクスの幅も大きくとっており、弱音を強調しつつ、オケをよく鳴らしていた。印象的だったのは、ff の箇所でも長い音符を音価いっぱいテヌートで伸ばすというより必ずディミヌエンドさせるというやり方。
第4楽章になって、60小節からの変奏をトップ奏者だけで弾かせたり、続くヴァイオリンのフレーズをマルカートで弾かせたりとちょっとユニークな演奏をしていた。ト短調部分のフルートによるノン・レガートのフレーズなどから使用楽譜はベーレンライター版と思われるが、第1楽章コーダでのトランペットのメロディの延長、第2、4楽章でのホルン一本の箇所を3人で吹かせたりと変更箇所もあった。

読響について。
コンマスは小森谷&トップサイドは日下という並びで、なぜ?という気がしたが、読響のHPに下記のようなメッセージが載っている。
※この演奏会では、当初コンサートマスターを日下紗矢子が務める予定でしたが、事情により小森谷巧が務めることになりました。なお、日下はトップサイド(コンサートマスターの隣)で出演します。何卒ご了承くださいますよう、お願いいたします。
https://yomikyo.or.jp/concert/2018/10/622.php
どのような事情かわからないが、実際に見ていても、日下氏の方が よりコンマスらしい(見やすくわかりやすい)引き姿であったことは事実。
管楽器はドブリノフ、蠣崎、金子(特に秀演だった)、吉田、ホルン:松坂各氏、全体としてもなかなかの好演だったと思う。

さて、ヴァイグレ。経歴は下記の通り。
1961年 東ドイツ/ベルリン生まれ、東ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学でホルン、ピアノ、及び指揮を学ぶ
1982年~1997年 ベルリン国立歌劇場管弦楽団で首席ホルン奏者を務める
1997年 ベルリン国立歌劇場の第1カペルマイスター
2003年 フランクフルト歌劇場とのリヒャルト・シュトラウス「影のない女」で年間最優秀指揮者(「Opernwelt」紙)に選ばれる
2004~2009年 スペイン・バルセロナ・リセウ大劇場音楽総監督
2007年 バイロイト音楽祭で「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を指揮
2008年~ フランクフルト歌劇場の音楽総監督
2019年~ 読売日本交響楽団常任指揮者

なお、1961年生まれというと、シモーネ・ヤング、ファビオ・ビオンディ、ダニエレ・ガッティ、カール=ハインツ・シュテフェンスなど、1年下の1962年生まれは、マルク・ミンコフスキ、パーヴォ・ヤルヴィ、ラドヴァン・ヴラトコヴィチなどがいる。

ということで、ベルリン国立歌劇場時代に録音されたモーツァルトの協奏曲集を久しぶりに聴いてみた。
○指揮:イェルク=ペーター・ヴァイクレ(セバスティアンの叔父)
○管弦楽:ドレスデン・フィル
○録音:1988/12.1989/4 ドレスデン ルカ教会
音色はペーター・ダム的な柔らかさに、もう少し暗く深みを増した好ましいもの。テクニック的にも素晴らしくオーソドックスな名演。
このうち、ロンド変ホ長調はダム版の楽譜なのかヴァイグレの即興なのかわからないが、通常では聴けない装飾が散りばめられている。そして驚いたのは、第2番と4番のバッソにファゴットを重ねていること。個人的にはまったくおかしくないことと思っているが、ホルン協奏曲としては前代未聞。
なお、私が持っているCDは1990年にCAPRICCIOレーベルからリリースされているものだが、録音は VEB Deutsche Schallplatten Berlin と書かれている。
ちなみにこのCDに記載されている各曲/楽章の速度・発想標語は、第2番第一楽章:アレグロ、第4番第一楽章:アレグロ・マエストーソ
と、「正しい」表記がなされている。
https://zauberfloete.at.webry.info/201906/article_6.html

そして、収録されている曲は下記の通り。
〇ホルン協奏曲第4番 変ホ長調K495
〇ホルン協奏曲第3番 変ホ長調K447
〇ホルンと管弦楽のためのロンド ニ長調(K412の第2楽章として/カール・マルゲール校訂版)
〇ホルン協奏曲第2番 変ホ長調K417
〇ホルン協奏曲 ホ長調K494a(第1楽章断章)
〇ホルン協奏曲第1番 ニ長調K412/514(386b)(慣用版/ロンド・アレグロ:ジュスマイアー作曲)
〇ホルンと管弦楽のためのロンド 変ホ長調K371(ペーター・ダムによる完成・校訂版)
〇ホルンと管弦楽のための協奏曲断章 変ホ長調(K370bよりヘルマン・ユーリッセン再構成版)

と、断片を含めモーツァルトが遺したホルン協奏曲のほとんどを収録している。
K494aはタックウェル盤(DECCA/1983)はじめいくつか録音があるが、K370b(Anh. 97,98 & 98b)は、タックウェル盤(一部)、ジョン・ハンフリー再構成によるマイケル・トンプソンの新盤,(NAXOS/1995)とユーリッセン盤(OLYMPIA/1996)くらいしかないのではと思う。
ということで、リリースされた当時としては画期的な企画だったと言える。なお、その後ドイッチェ・シャルプラッテンから何回か発売されたらしいが現在は廃盤のようである。

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