モーツァルト:ホルン協奏曲集/ザイフェルト、カラヤン=ベルリン・フィル

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ザイフェルトが吹くモーツァルト:ホルン協奏曲集のCD(SACD HYBRID)を購入した。1968年録音盤で、LPはもちろん、CD(ガレリア・シリーズ)も持ってはいたが、2019年最新リマスタリング/SACDハイブリッドとあっては買わない訳にはいかない。

従来版に比べ、より滑らかな音質と静けさの増した空気感はさすがと思ったが、それ以上に、(以前も書いたが)50年も前にこのようなバランス/音質で優れた録音を行っていたドイツ・グラモフォンのポリシーと技術にはあらためて敬意を表したいと思う。
https://zauberfloete.at.webry.info/201212/article_15.html
なお、発想標語に関しては本盤でも、
第2番(K417)第一楽章:アレグロ マエストーソ
第4番(K495)第一楽章:アレグロ モデラート
と表記されている。
あと、柴田龍一氏の解説(わざわざ「1999/2019改」と書かれている)の中で、第3番(K447)の作曲年代が1783年と書かれているが、タイソンやプラートなどの研究により作曲年代は1787年が最近の定説になっているということは触れて欲しかったと思う。

さて、モーツァルトのホルン協奏曲といえば、ブレイン、カラヤン=フィルハーモニアO(EMI/1953)が名盤の誉れ高く、私もLPでは2回買換え、CDもEMI盤とオーパス蔵盤を持っている。ブレインの演奏は確かに素晴らしいものだが、私にとってザイフェルトの演奏はそれ以上の愛聴盤となっている。
https://zauberfloete.at.webry.info/201609/article_21.html

ザイフェルトの演奏は、ある意味ブレインの演奏と対極にあるようにも思う。
自由で伸びやかで奔放なブレインの演奏に対し、禁欲的で隅々までコントロールを利かせたザイフェルトの演奏。

佐伯茂樹氏がここでの解説を執筆されている(以下、一部抜粋)。
ザイフェルトは一貫してモーツァルトらしい暖かくて贅肉の少ない音色で吹き通している。このとき彼はメルヒオール製の重めのダブルホルンを使用しており、その大きなキャパシティの中でセーブする様子は、まるでベンツのSクラスで江戸の旧街道をゆっくりと走っているかのよう。目指す音色はよく似ているが、吹き込み管を細く改造したスポーティなBシングルホルンを軽快に操るブレインとは対照的である。

そして、タワーレコードのサイトでは、ザイフェルトの音色について、
「当時はドイツ製のメルヒオールを使用(70年代に工房が閉じられてからはヤマハを使用)しており、ドイツ製ホルンの伝統でもある明るく輝かしい音色でモーツァルトを格式高く演奏しています。(中略)ブレインのB♭シングルホルンによる軽快で柔らかな響きに対し、ザイフェルトの重厚でありながらもブリリアントな音色(後略)」
という表現を用いている。
https://tower.jp/item/4916958/モーツァルト:-ホルン協奏曲全曲<タワーレコード限定>

私自身、これまでザイフェルトの音色は、「滑らかで、重く、暗い」と思って(感じて)いたのだが、佐伯氏の「暖かくて贅肉の少ない」、タワーレコードの「明るく輝かしい」、「重厚でブリリアント」という各表現の間にはやや隔たりがあるように思える。
ということで、ザイフェルトの演奏/音色について次回あらためて考えてみたい。

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