エルプフィルハーモニー こけら落とし演奏会

録画しておいた「プレミアムシアター」を観た。今回はハンブルクに新しくオープンしたエルプフィルハーモニーのこけら落とし公演の模様。
これまで、ヘンゲルブロック=北ドイツ放送響の演奏は、実演、テレビなどで何回か聴いている。
http://zauberfloete.at.webry.info/201205/article_20.html
http://zauberfloete.at.webry.info/201509/article_7.html
今回も、(第九終楽章に関しては)期待に違わない秀演だった。

まず、こけら落とし公演に先立って、ドキュメンタリー「エルプフィルハーモニー ~ハンブルクの新ランドマーク~」が放送された。
工期の大幅な遅れ、費用の大幅な超過と多くの問題を抱えながら当初の予定より6年遅れて開業するまでのプロセスを追った内容で、見応えがあった。

続いて、2017年1月に行われた こけら落とし演奏会、曲目等は下記の通り。
○ブリテン:「オウィディウスによる6つの変容」から パン
○デュティユー:「瞬間の神秘」から 呼びかけ、エコー、プリズム
○カヴァリエーリ/アルキレイ:「ラ・ペッレグリーナ」から 高き天球から
○ベルント・アロイス・ツィンマーマン:大管弦楽のための前奏曲「フォトプトシス」
○ヤコプ・プレトリウス:「5声と通奏低音のためのモテット」から あなたはなんと美しいことか
○リーバーマン:フリオーソ
○カッチーニ:麗しのアマリリ
○メシアン:「トゥランガリラ交響曲」から 終曲
○ワーグナー:舞台神聖祭典劇「パルシファル」前奏曲
○リーム:追悼 ~ハンス・ヘニー・ヤーンを悼む三連の詩句と引用句~
○ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調作品125「合唱つき」から 第4楽章

○ソプラノ:ハンナ・エリーザベト・ミュラー
○アルト:ヴィープケ・レームクール
○テノール:パヴォル・ブレスリク
○バス・バリトン:ブリン・ターフェル
○カウンター・テナー:フィリップ・ジャルスキー
○オーボエ:カレフ・ユリウス
○ハープ:マルグレート・ケール
○オルガン:イヴェタ・アプカルナ
○合奏:プレトリウス合奏団
○オンド・マルトノ:トマ・ブロック
○ピアノ:シェ・ヤーオウ
○合唱:北ドイツ放送合唱団、バイエルン放送合唱団
○管弦楽:NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団
○指揮:トーマス・ヘンゲルブロック
○収録:2017年1月11日・12日/エルプフィルハーモニー(ハンブルク)

デュティユーやメシアンなどの間にプレトリウスやカッチーニの曲を挟み(それもすべてアタッカでつないで行く)、最後に第九の終楽章を置くというユニークなプログラムはヘンゲルブロックだからこそ成し得たプログラムだと思う。そして第九(この曲しか真剣に聴かなかった)の演奏は、なかなか個性的でヘンゲルブロックらしさが感じられ、ひじょうに興味深かった。
具体的には、低弦のレチタティーヴォでの普通とはやや異なるイントネーションの付け方、トゥッティでの旋律の歌わせ方、さらにフレーズの終わり方などに独自性が感じられた。
声楽ソリストたちは途中から登場し、指揮者の横で歌っていた。ターフェルのレチタティーヴォはなかなか立派なもので優れた歌唱だった(nicht diese Toene! のToeneはちゃんとGFで歌っていた)。
オケもかなりの好演。管のメンバーは、リッター(フルート)、メルヴェ(オーボエ)くらいしか分からなかったが、トランペットのトップを吹いていたのはハネス・ロイビン(バイエルン放送響)のように見えた(このオケにはベルンハルト/ロイビン3兄弟の一人も在籍しているようだ)。
また、ホールの特性なのか各楽器の分離が良く、各パートがクリアに聴こえた。特に低弦による「歓喜の歌」の開始のコントラバスの音はいやにはっきりと聴こえていた。
使用楽譜は、ファゴットのオブリガートのリズムやマーチ冒頭でのコントラファゴットのオクターヴ下のB音などからベーレンライター版と思われるが、ホルンのタイ(528~529、532~533小節)は通常の形に直して演奏していた。

なお、プログラムの最初に演奏されたブリテンの(オーボエ独奏のための)「オウィディウスによる6つの変容」から「パン」を吹いたカレフ・ユリウス(パウラス・ファン・デア・メルヴェと並ぶこのオケの首席奏者の一人)
http://www.ndr.de/orchester_chor/elbphilharmonieorchester/orchester/Kalev-Kuljus,kalevkuljus101.html
の演奏は圧倒的に見事なものだった。

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