「神保町」

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私にとって神保町界隈は、社会人になってからその後会社が移転するまで約20年間過ごしたところで、懐かしいという以上に私にとってかけがえのない街となっている。
会社から少し歩けばすずらん通りで、昼休みにはほぼ毎日、三省堂、書泉グランデ/ブックマート、東京堂、冨山房などを始め、古本屋巡りをしたものだった。朝や午後は喫茶店、昼は食べ歩き、夜から深夜にかけては飲み屋という生活だった。
しかし、その後の街の変貌は目を見張るばかり。
1999年9月 バラライカ閉店
2003年3月 神保町三井ビルディング・東京パークタワー竣工
2004年6月 エスワイル閉店(その後春日に移転)
2010年3月 カザルスホール貸出終了
2010年末 ミオポスト閉店
2012年3月 東京堂リニューアル
2013年5月 寿々喜閉店
2013年7月 富士屋スーパー閉店
2015年3月 柏水堂閉店
2015年4月 錦町テラススクエア竣工
2015年9月 書泉ブックマート閉店
すずらん通りから神田税務署手前の一帯は本当に街の景観が一変してしまったし、飲食店なども私が知っている店でまだ残っているのは本当にごくわずかとなってしまった・・・。

さて、本書はイラストレーターの得地直美さんという方が書いた神保町の風景だけで構成された一冊。2016年10月に夏葉社から出版されている。
著者は2005年に上京、仕事の関係で毎日竹橋から神保町へ通いながら、歩いていてこんなに楽しい町はなかったと述べている。本書は2010年から2016年に描いた神保町とその周辺の風景。
街の風景を始め、建物、看板、通行人、積み上げられた古書、(ささまの)松葉最中など多岐にわたるが、どれも味わい深いもの。

神保町を知る人にとっては、その雰囲気をよく伝えているという意味で、写真以上に懐かしさを感じられ共感を得られる画集ではないかと思う。

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