リスト:ハンガリー狂詩曲第2番/ミュラー=ベルクハウス編曲

リストが1847年にピアノ独奏曲として作曲したこの曲(原曲は嬰ハ短調)は、その後(1860年頃)リストと弟子のドップラーにより編曲(二短調に移調)されたが、ほかにも、ミュラー=ベルクハウス(1829~1907)、ヘンリー・ウッド(1869~1944)、ロッター、ヴァルデンマイヤーといった人たちによっても編曲されている。
マズア=ライプツィヒ・ゲヴァントハウスOの演奏によるドップラー編曲版のCD(PHILIPS/1984)を持っていたので久しぶりに聴いてみた。冒頭はトランペットが吹いており、全体的にミュラー=ベルクハウスの編曲(ハ短調)に比べると薄く軽い感じの編曲で、カットや一部改編もあるようだ。
私が聴き慣れているのはカラヤン=ベルリン・フィル(DG/1967)の演奏。ライナーノーツには「このCDに聞く演奏は本来のリストとドップラーによる編曲である」と間違った表記がされているのだが、この演奏は紛れもなく、ミュラー=ベルクハウスによる編曲版。カラヤンはそれ以前にフィルハーモニアOとの録音(EMI/1958)もあるが私は未聴。デジタル時代になってからは第5番は録音しているが、この曲は再録音していない。
一方映像では、1978年12月31日のジルヴェスター・コンサートのLD(DG)があり、今回これも観なおしてみた。どちらも曲づくりはだいたい同じだが、この映像は何回観ても凄い。
冒頭からカラヤンにしては珍しくハイ・テンション、ものすごく気合いと力が入っており、ひじょうに熱い演奏となっている。カラヤンにしては身ぶりが大きく、特に音を止める時の左手の雄弁さは筆舌に尽くしがたい。レント・エ・カプリチオ、ポコ・リテヌート、ラッサン、(フェルマータ)、ピウ・モッソ、テンポ・プリモ、コン・プリマ、などのおそろしく伸び縮みするテンポを、幅広いダイナミクスを付けながら、カラヤンは大きなスケールで、しかし自然な流れをもって見事に紡いでいく。86小節アウフタクトからの1stVnが大き過ぎると、左手で大げさに抑えにかかるのも普段のカラヤンではあまり見られない・・・。この前半(フリスカ-ヴィヴァーチェに入る前まで)の映像だけを観ても、カラヤンという人はあらためて凄い指揮者だったことを実感せずにいられない。曲の音楽づくり/解釈/指揮のテクニックは卓越したものがあると思う。後半は走り出したら止まらない感じで圧倒的な高揚/盛り上がりをみせる。
コンマスはシュワルベ、トップサイドはシュピーラー、向いにはフィンケとボルヴィツキーが並んで座る。木管はブラウ、コッホ、そしてクラリネットの華やかなカデンツァを聴かせるのはローデンホイザー。この人は首席在籍期間は短かったが、ライスターに並ぶ(音色はやや明るめではあったが)ドイツ管の名手だったと思う。ファゴットはピースク、ホルンはハウプトマン、トランペットはグロートとクレッツァーが並ぶ。ティンパニはテーリヒェン。
今から36年前の映像で隔世の感があるが、当時の現役団員だったブラウ(1949~)やクレッツァー(1950~)、ゾンネ(1950~)なども近々定年を迎えることになる。
話は逸れるがベルリン・フィルの団員募集ページを見ると
http://www.berliner-philharmoniker.de/offene-stellen/
ソロ・フルートが消えている。ブラウの後任が決まったのだろうか?

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  • 夏の演奏会(2)終了

    Excerpt: 私の出身高校のOBオケの演奏会を終えた。2月の演奏会に続いての参加となったが、今回は前半のみ2曲、特に目立つソロもなかったため、前回に比べればプレッシャー/緊張感は百分の一くらいだった。 http:.. Weblog: Zauberfloete 通信 racked: 2014-07-21 22:58