モーツァルト:12のデュオK487(496a)

この曲の第1,3,6番は、モーツァルト自身が書いた個別のパート譜が残っており、そこには「1786年7月27日ウィーン、九柱戯(ケーゲルシュタット)をやりながら」という注記が付け加えられている。
自筆譜には楽器の指定はなく、ケッヘルはヴァイオリン二重奏と考え、 その後旧全集ではバセット・ホルン二重奏とされた。しかし、ナチュラル・ホルン・プレーヤーにとってはこの曲集がホルンのために書かれたということは明白であり、現在では、モーツァルトの友人でホルン奏者だったロイトゲープのために書かれたと考えられている。上声部は常識では考えられない高音域を、そして下の声部もひじょうに低い音域まで使用されており、演奏は楽器(特にナチュラル・ホルンでは)の限界を超える困難さを持っている。
NMAのスコアではホルンin Esとなっているが、その通り演奏すると第1番では最高音がBとなり、普通では考えられない超高音域となる。
LP時代、2枚組のK439bのディヴェルティメント集(当時はクラリネット2本とファゴットで演奏されることが普通だったが、あえてバセットホルン3本で演奏されていた)の余白に収められていたこのデュオが、凄い高音域で演奏されていたことを思い出す(ディスカント・ホルンで吹いていたのだろうか)。演奏はオランダ管楽合奏団(PHILIPS/1970年代?)だったが、PHILIPSモーツァルト全集のカタログを見ると、やはりオランダ管楽合奏団/新録音と書かれている。私は持っていないのだがどのような演奏なのだろうか・・・。
その後、プリンツとシュミードルによるバセットホルンのデュオのCD(DG/1979)もリリースされたが、これはまったく別の音楽のよう。ホルンによる演奏で現在私の手元にあるのは下記の3点。
○Ab Koster & Knut Hasselmann(SONY/1990)抜粋
○Martin van de Merwe & Bob Stoei(Wijnand van Hooff/1992)全曲
○Teunis van der Zwart & Erwin Wieringa(GLOSSA/2006~08)抜粋
そしてそれらに加え、私の愛聴盤でもあるハウプトマンとクリエールが吹いた一枚(ORFEO/1990)。
しかしこの演奏、NMA指定のEs管ではなく移調して吹いている。
最近知ったのだが、ブライトコプフ版からF管に移調したエディションが出ており、例えば第1番はF管のへ長調に移されているため、最高音もFと現実的なものになっている。
上記ハウプトマン&クリエール盤は、アーティキュレーションはやや異なるもののおおむねこの版に従ったものと思われる。とにかく格別の名演で、ハウプトマンはもちろん見事な演奏だが、それ以上に下を吹くクリエールが絶妙な合わせを聴かせる。聴くたびにホルン2本でここまで音楽的な演奏ができることに驚愕せざるを得ない。

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