通奏低音のファゴット

今年1月の演奏会(ハイドン&バッハ)のDVDが出来上がった。
http://zauberfloete.at.webry.info/201401/article_11.html
映像自体は固定カメラなのであまりディテールまでは見えないが、響きの良いホールだったせいか音はきちんと入っている。ちょっと驚いたのはファゴットの音がかなりはっきり聴こえてくること。
オケは20人くらい、チェロ3、コントラバス1、バッハではオルガン1、という編成だったのだが、合唱が入ったトゥッティの中でも通奏低音の輪郭(ファゴット)は聴こえており、客席ではどうだったかわからないが、録音で聴く限りは一応の役割は果たせたのではないかと思う。
ハイドンの交響曲では、指揮者の意向により「ファゴットなし」の指定がある楽章(第5番の第三楽章トリオ、11番のアダージョなど)であっても、他の管楽器が入っている場合にはファゴットも参加させていただいた(とはいえ、バッハの Gratias 、Qui tollis は吹かせてもらえなかったが・・・)。
すべての曲でチェロ・バスと同じ楽譜で、ソロは一切なかったため緊張感に欠ける本番ではあったが、普通に吹いてここまで聴こえていたのであれば、もう少し頑張っても良かったかとも思っている・・・。
なお、録音を聴くと、特にバッハのミサ曲においては中心のチェロ、土台のコントラバス、輪郭のファゴットが比較的溶け合って一つの楽器のようにも聴こえた。

バロックからハイドン前期頃まではファゴットは通奏低音の一員であった訳だが、古典派以降、ファゴットは低弦から離れ独自の地位を獲得していく。とはいえ、モーツァルト(「プラハ」第一楽章やベーレンライター版での「リンツ」など)、ベートーヴェン(「田園」など)でもチェロとユニゾンのフレーズが時に登場する。
チェロだけで演奏していれば柔らかく広がりのあるフレーズでも、ファゴットが加わることにより、輪郭がクリアになり「線」が強調されることになる(バロック・ファゴットのように茫洋とした音色であれば別だが)。また、後期のハイドンでも「太鼓連打」冒頭のようにチェロ・バスにファゴットが重ねられていることもある。
http://zauberfloete.at.webry.info/201402/article_8.html
作曲家がそのような音色を望んだためとは思うが、チェロ奏者の方々にとっては(弦楽器ではない異質な)ファゴットが加わることは迷惑(?)なのではといつも思っている。

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