4&4(ベルリン・フィルのヴァイオリン奏者とチェロ奏者)演奏会

ベルリン・フィルのヴァイオリン奏者4名とチェロ奏者4名による、東日本大震災復興支援チャリティーコンサートを聴いた(慶應義塾大学日吉キャンパス 藤原洋記念ホール)。
ベルリン・フィルの来日公演の合間に企画された演奏会のため、日曜の午前10時開演というコンサート。メンバーは下記の通り。
○ヴァイオリン:アレッサンドロ・カッポーネ、クリストフ・ポロネク、エーファ=マリーア・トマージ、ドーリアン・ジョジ
○チェロ:レイチェル・ヘラール、シュテファン・コンツ、マルティン・メンキング、ダーフィット・リニカー
カッポーネ氏も今やベテラン奏者となり貫禄も十分。トマージさん以外のヴァイオリン奏者は、3~4年以内に入団したばかりの若い人たち。チェロ奏者はコンツ氏しか私は知らなかったが、全員が90年代後半以降に入団した方々。

ヴァイオリン4、チェロ4による八重奏、ヴァイオリン四重奏、チェロ四重奏という各編成で、バラエティに富んだ曲目を見事な演奏で聴かせてくれた。各メンバーのソロが素晴らしいことはもちろんだが、伴奏とソロが一体となるその精度の高いアンサンブルにも魅了された。そして、特に合わせる必要のある箇所で全員が意識を集中する時の緊張感/張りつめた空気感が尋常ではないことも興味深かった。
なお、ヴァイオリン四重奏曲以外はすべてメンバーのリニカー氏の編曲とのこと。どの曲も全員がソロを担当しつつ、聴かせどころをきっちり押さえた素晴らしい編曲だった。

○ドヴォルザーク:スラブ舞曲 第10番 Op.72-2
最初は全員による演奏。チェロ4人が前列に座り、その後ろにヴァイオリン奏者たちが立って横に並ぶという形。最初の曲のせいかやや硬さも感じられた。
○G.バーチェヴィッツ:4台のヴァイオリンのための四重奏曲 1.アレグレット 2.アンダンテ・トランクィロ 3.モルト・アレグロ
○J.B.Ch.ダンクラ:4台のヴァイオリンのための「序奏と変奏付き主題」(「ヴェニスの謝肉祭」作品119「華麗なる幻想曲」より)
2、3曲目はヴァイオリンだけの四重奏。バーチェヴィッツという人の曲はなかなか難曲そうだったが、さすがにアンサンブルは完璧だった。そして、有名な「ヴェニスの謝肉祭」の変奏曲。唖然とさせられる超絶技巧がソロと伴奏で繰り返し登場し、各メンバーの名人芸をたっぷりと聴くことができた。
次の曲からはチェロ四重奏。
○ドビュッシー:月の光(「ベルガマスク組曲」より第3番)
○フォーレ:哀歌 Op.24
○ドヴォルザーク:私に構わないで(「四つの歌」Op.82より第1番)
○チャイコフスキー:メロディ(「なつかしい土地の思い出」Op.42より第3番)
○シューベルト:蜜蜂(「12のバガテル」 Op.13より第9番)
○グラズノフ:アラビアのメロディ(「二つの小品」 Op.20より第1番)
○フォーレ:シチリア舞曲(「ペレアスとメリザンド」 Op.80より第4番)
チェロの重奏というのは、それだけで低音から高音までがカバーできるためひじょうに安定した響きとなり、その表現の幅も大きい。どの曲も優れた編曲で本当に見事な演奏だった。特に印象的だったのはシューベルトの「蜜蜂」という曲。
そして、どの曲も各メンバーがソロを弾くため、その音色の違い(予想以上に大きい)がわかるのだが、一緒に弾くと一つのまとまった響きとなるところが面白い。ただし、コンツ氏だけは楽器のせいなのか奏法のせいなのか、曲によってはやや聴こえすぎる場面もあった。なお不思議だったのは、コンツ氏はステージに向かって一番右で弾いていたのだが、私には一番左の奏者が弾いているように聴こえてきた(定位がズレていた)こと。私の耳がヘンなのか、会場のせいなのか・・・。
そして、最後は再び全員での演奏。
○ピアソラ:カリエンテ、リベルタンゴ
編曲も傑出しており、エキサイティングで圧倒的な名演だったとしか言いようがない。なお、アンコールにもう一曲ピアソラ(これも超素晴らしかった)が演奏された。

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