ロッシーニ:「アンダンテ、主題と変奏」(原典/ベーレンライター版)

ロッシーニ:「アンダンテ、主題と変奏」の原典版(ベーレンライター版)を入手した。Edited by Philip Gosett とあり、出版されたのは2008年。グリミネッリ盤、ゼフィルス四重奏団が演奏している楽譜とアーティキュレーションの微妙な違いこそあるが、基本的には同一と思われる。従ってイタリア国内では以前からオリジナル版は出版されていたのであろうと推測される。
http://zauberfloete.at.webry.info/201208/article_7.html
http://zauberfloete.at.webry.info/201208/article_15.html
PREFACEによれば、この「アンダンテ、主題と変奏」は、ロッシーニによるピアノを含まない7つの室内楽曲のうちの一曲で、作曲家の手稿譜はBibliotheque nationale de France に保存されており、ロッシーニの長年の友人であった l'Amico Tonola に献呈されているという。しかし、ペーザロに実在する筆写譜にはこの名前は書かれてはいないとのこと。また、ロッシーニ自身による「ボローニャ、1812」というサインはかなり後になって書き入れられたと推測されるが、多くの手紙や文書を分析すると1812年にロッシーニがボローニャに旅する時間的余裕はなかったのではとも考えられている。とはいえ、ロッシーニはボローニャ時代、「クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと管弦楽のための変奏曲へ長調」、「クラリネットと管弦楽のための変奏曲ハ長調」、「ファゴット助奏を伴ったピアノ協奏曲」など管楽器に焦点を当てた作品を多く手掛けている。
校訂内容は、作曲家自身の手稿譜、ペーザロの筆写譜、1823年にフィレンツェで(フルートをオーボエに置き換えて)出版されたパート譜などをベースに綿密な分析が行われている。
ということで、これまでのショット版(管楽四重奏曲第6番)は、ロッシーニのオリジナルにベールが手を加えたものであり、中でもフルート・パートの改変(音域の縮小、簡略化)が顕著となっている。ここから先は個人的憶測だが、ベールという人は(優秀な)クラリネット奏者だった訳で、その意味でもクラリネットの演奏効果をさらに際立たせようとしたのではないかとも思われる。今後はこの原典版が普及していくことを期待したい。

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