チェロの森

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チェリストの長谷川陽子さんによるエッセイ集(時事通信社/2010年11月刊)。
まず、この本の表紙を飾っている絵の素晴らしさに目を奪われる。暖色系のトーンに包まれ、その奏でる音が聴こえてくるかのような、美しくエレガントなチェロの弾き姿・・。これは彼女の母方の祖父で日本画家の加藤晨明が描いた「響」という作品。
そして彼女の父親は音楽評論家の長谷川武久、父方の祖父の長谷川英三も音楽にも造詣が深い高名な建築家
と、彼女の恵まれた境遇にはあらためて驚く。
とはいえ、コンクール入賞歴やその後のめざましい演奏活動は、もちろん彼女自身の才能に加えて日々の努力の賜物であることには間違いない。井上頼豊氏によるレッスン、日本音楽コンクール第二位、17歳の初リサイタル、コンチェルト・デビュー、そして、アルト・ノラスに師事するためのフィンランド留学、そこでの厳しいレッスンとシベリウス・アカデミー卒業試験での満点評価に至るまでの道のりがしっとりと、静かに語られている。
後半は、家族や身の周りの話題、作曲家と演奏歴、コンサート、リサイタルなどの話題が自由に拡がっていく。
彼女自身、人一倍の努力を重ね、悩み、苦労をしてきたこととは思うが、それをあまり感じさせないのは、彼女の持つ豊かな天性、才能のせいなのか、また育った環境からくるゆとりなのか・・。
実は私は彼女のCDも持っていないし、これまで実演でその演奏を聴いたこともない・・。これを機にぜひ彼女の演奏を聴いてみたいと思う。

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