N響第九

BSで放送された第九の録画をやっと観た(12/31にも放送予定あり)。
今年の指揮者はヘルムート・リリング。バッハの専門家というイメージが強いが、スペインのオケの常任指揮者もしているらしい。どのような演奏を聴かせてくれるのか期待していたが、第一、ニ楽章はともかく、後半は個人的にはやや?な演奏だった。
第一楽章冒頭の2ndとチェロのキザミがいやにクリアに聴こえたり、弱音を多用した、良く言えば端正かつ素朴な演奏で、インテンポを通しすっきり聴かせていた。第二楽章も速すぎず木管もよく聴こえる見通しの良い演奏だったと思う。疑問を感じ始めたのは第三楽章後半あたりから・・。
私はどちらかと言うと保守的な方なので、やはり慣用的な方法ではない演奏にはやや抵抗を感じる。が、アーノンクールやヤルヴィなど、抵抗があってもそれなりに納得できるものを持っているやり方であればともかく、リリングの場合は抵抗はなかったが、例えば終楽章の開始のファンファーレや低弦のレチタティーヴォなど、もう少し別のやり方があるのではと感じずにはいられなかった。
指揮棒を鉛筆のような持ち方で指揮するのは個人の趣味なのでまあ良いとしても、打点があまりはっきりせず、拍が機械的過ぎアウフタクトのタメもあまりないので、演奏する側はやりにくかったのではないかとも思う。合唱にとっては良かったのかも知れないが・・。なお、初日には(中継も初日だと思うが)昨年に引き続きかなりの大事故もあったらしい。
あと、声楽ソリストを指揮者の右手最前列に配するのは良いとしても、入場のタイミングはやはり第三楽章の前が好ましいのではと感じるのはたぶん私だけではないだろう。
木管セクションは、神田、青山、松本、福士、なおファゴットは佐藤、菅原を加えた華麗な女性トリオ。ホルンは今井(第三楽章4番ホルンのソロもすべて吹いていた)、勝俣、大野他。第4楽章529小節あたりのオーボエの乱れを除けば概して好演だったと思う。
声楽ソリストはリリングが選んだという全員外国の方々。バリトンは最初のレチタティーヴォ後半、やや息切れしたようにも聴こえたが、その他は可もなく不可もなくといったところか・・。4人のバランスはあまり良くなかったように思う。

最後にまたまたカメラワークについて一言。
コンサート会場では見たくてもよく見えなかった箇所をクローズアップしてくれるのがテレビ中継な訳で、見たい箇所というのは、おそらく誰もが見たい箇所なのだと思う。管打楽器や声楽ソリストのソロの箇所はもちろん、テンポの変わり目などの指揮の仕方、あとは管楽器のアシスタントの役回りなど言い始めたらキリがない。
http://zauberfloete.at.webry.info/201008/article_7.html
今回の場合、是非見たかった箇所で映らなかったのは下記の通り。なお、第九の場合、合唱団への配慮もあろうが、最低でも下記の箇所は絶対に映して欲しいと思う。
①第四楽章 低弦の「歓喜の主題」がヴィオラに受け渡されるところのファゴットのオブリガート(116小節~)
②第三楽章 アダージョの4番ホルンのソロ(ここは85小節から97小節までが必須) 
③第四楽章 Seid um schlungen に入るバストロのソロ(595小節)なお、今回はトロンボーンは全く映らなかった。
④第四楽章 アラ・マルチアのテナーのソロ 今回は最後の方でまだ歌っているのに映らなかった。
⑤(例えば)第四楽章 vor Gott!などでのフェルマータの切り方
カメラワークといえば、先日のN響アワー、ショパンのピアノ協奏曲第二楽章で、Fg佐藤さんがソロを吹いていたにもかかわらず全くカメラを向けられることがなかった。団員が映らないN響アワーは番組の存在意義がない。

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この記事へのコメント

第九好き
2011年01月04日 16:16
今年はコンマスが違いましたね。いつもいるメンバーを探しましたがいなかったりで、気になりました。移籍したのでしょうか?N響はメンバーをどう選ぶのでしょうか?素人として興味ありますね。数年前にソロで歌ってた角田 裕子さんはとても印象深かったです。あと、指揮者によってテンポがかなり違うのが面白いですね。楽団員のコメントが今年の放送は無くて残念。国音の学生、指導した先生、もっと時間をさいて多くのコメントがききたいですね。素人ですがN響は最高ですね。

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