ベルリン・フィルハーモニー・ホルン・カルテット

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開演時刻が過ぎ、やっとステージへのドアが開いたがメンバーは出てこない。
やがて左右の舞台裏からホルンの音が聴こえてくる。そして舞台右手からドールとヴァレンドルフ、左手からマクウィリアムとサラ女史が登場。あらためて舞台上で4本のホルンが鳴り響くが、その音色は深々とした、強靭で拡がりのある素晴らしいもので思わず鳥肌が立つ。
来週は王子ホールでのコンサートが予定されているが、それに先立ちアプリコでの演奏会を聴いた。メンバーは下記の通り。なお、ステージでの並びは向かって右から、ドール、ヴァレンドルフ、マクウィリアム、サラ。編曲によって2番と3番の役割が違うのかもしれないが、原則としてヴァレンドルフが2番、マクウィリアムが3番を吹いていた。
○シュテファン・ドール(ベルリン・フィル ソロ奏者/アレキサンダー103)
○クラウス・ヴァレンドルフ(ベルリン・フィル 3番奏者/アレキサンダー1103)
○ファーガス・マクウィリアム(ベルリン・フィル 2・4番奏者/アレキサンダー103)
○サラ・ウィリス(ベルリン・フィル 2・4番奏者/アレキサンダー103)
前半の曲目は「ハンティング・ホルン」というコンセプトでまとめられた下記の曲が演奏された。なお、前半からヴァレンドルフ氏による日本語の曲目解説付き。
○ロッシーニ:狩の集い
○ユーリッセン編:4つの狩の作品集「シャソマニエⅠ」より
○ケックラン:4本のホルンのための2つの作品
○ユーリッセン編:4つの狩の作品集「シャソマニエⅡ」より
○ミェフラ:ボヘミアの狩猟祭のための音楽
休憩をはさんで、後半は世界の民族音楽と舞曲というテーマで、
「プリンク・プレンク・プランク」、「カリンカ」、「コンドルは飛んでいく」、「日本民謡によるブルレスケ」(山田英二編)、「クラップフェンの森で」、「ピチカート・ポルカ」、「三角帽子」より粉屋の踊り
そしてアンコールは、「ドン・ジョヴァンニのセレナーデ」に始まり、「誰も寝てはならぬ」、「後宮」からオスミンのアリア、「魔弾の射手」そして最後はヴァレンドルフが一人残り、ブラームスの子守唄を途中まで吹いて終了。

一言で感想を述べれば、「超一流のプロの技は圧倒的に凄い」ということに尽きる。ドール始め、もちろんすべてが完璧ではなかったが、テクニック、音色、ダイナミクス、音楽性、4人のバランスなどどれをとっても最高ではあった。傑出していたのはドールのテクニックとサラの低音。また、ヴァレンドルフもドールとは一味違う柔らかい音色で素晴らしかった。
今回は、王子ホールなどの室内楽用ホールよりもはるかに大きなホールだったが、特にドールの、一本のホルンだけで大きなホール全体が共鳴しているかのような響きを創り出す、凄いパワーにあらためて驚嘆する。そして、4人の音が溶け合った時のハーモニーの美しさ、そして弱音の時とフォルテの時のダイナミック・レンジの大きさ!
私は以前、ベルリン・フィルのホルン奏者たちによる八重奏
http://zauberfloete.at.webry.info/200801/article_25.html
を聴いたことがあるのだが、その時のホールはひじょうに音響の悪いホールだったため、今回のような空間いっぱいに拡がる音は聴けなかった。その意味でやはりハコは大切と思う。
また、BPOホルン・カルテットといえば、かの有名な1992年1月の超絶ライブ(KING)を思い出すが、あの時のメンバーで残っているのはヴァレンドルフただ一人。ここでも時代の流れを感じる・・。
なお、今回のメンバーによるディスクは未だ発売されておらず、ドールではなくイェツィルスキーが加わっているのがこのドイツ民謡集。
http://zauberfloete.at.webry.info/200903/article_6.html
ただし、ここでは、ヴァレンドルフ(1番)、マクウィリアム(2番)、イェツィルスキー(3番)、サラ(4番)というパート割りになっている。

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    Excerpt: ベルリン・フィルハーモニー・ホルン・カルテットの「フォー・コーナーズ!」をやっと聴いた。 ベルリン・フィル・ホルン・カルテットというと、ザイフェルト、ハウプトマンなどがメンバーだった1992年のライ.. Weblog: Zauberfloete 通信 racked: 2012-08-19 22:54
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    Excerpt: クラウス・ヴァレンドルフ氏がベルリン・フィルを定年退団されたようでメンバー表から名前が消えている。 http://www.berliner-philharmoniker.de/orchester/ .. Weblog: Zauberfloete 通信 racked: 2015-07-30 22:15