「わかりやすく<伝える>技術」

池上彰著、講談社現代新書から2009年7月に発刊されている。
NHK「週刊こどもニュース」の時代から池上彰氏のファン(?)で、そのわかりやすい解説は群を抜いていたと思う。「こどもニュース」とは言え、むしろ大人だからこそ「人に訊けないこと」を理解できる数少ない機会だった。そういえば、氏が解説していたテレビ朝日の番組は終了してしまったのだろうか・・。
この本は、池上氏のテレビでの経験を活かした、「わかりやすい説明の方法、プレゼンテーションで留意すべきこと」などについて、ひじょうに「わかりやすく」説明されている。
言い換えれば、「限られた時間内で、相手に対し自分の言いたいことを如何に上手く伝えるか」ということで、このことは、ビジネスではもちろん、学校、団体、さらには日常生活においてもコミュニケーションが必要となる場面すべてにおいて基本となるべき方法/手法であり、その意味ですべての人にとって参考になる内容だと思う。
以下、各章の構成と、重要と思われるポイントをいくつかひろってみる。
○まず、「話の地図」を相手に示す:地図を示すためには、話す内容を対象化(見える化)しなければならないし、対象化したものを階層化することによって整理ができる。その整理したものを地図にして示す。
○相手ことを考える:誰に向かって伝えるのか。
○わかりやすい図解とはなにか:ひと息で読めない文は短く分ける。→短い文にすれば文章がうまくなる。
「無知の知」が大切:いわゆる「世間の人」にとって、何がわからないのか、それがわからなくなっていないか。→自分が知らないということを知る。本当に理解していればざっくり説明できる。
○図解してから原稿を書き直す:どれだけ「ノイズ」をカットできるか。メモはA4一枚に収める。
○実践編 三分間プレゼンの基本:「つかみ」を工夫する。パワーポイントは一枚40秒で見せていく。リハーサルは必須。
○空気を読むこと、予想を裏切ること
○すぐ応用できる わかりやすく<伝える>ためのコツ

○「日本語力」を磨く:(私にとって最も参考になったのがこの章だった) 使いたくない言葉―無意味な接続詞。
*わかりやすく伝えるうえで大事なことは、「接続詞」を極力使わないことだという。安易な接続詞の使用は、論理的な文章作りの敵になる。「そして」や「だから」を多用すればとりあえず文章を書き綴ることはできる、しかし、話がつながったように見えるだけで論理性に欠けることが少なくないという指摘。接続詞を使わなくても文章がつながるかどうかを確認しつつ、できるだけ接続詞を使わないように努力することで、論理的な文章が書けるようになる、と池上氏は述べている。この点、私もぜひ実践してみようと思った。

○「声の出し方」「話し方」は独学でも:腹で声を出せば腹が据わる。口を大きく開けよう。
○日頃からできる「わかりやすさ」のトレーニング:愚直に情報を集める。新聞には「ノイズ」があふれている。リアル書店に行こう。
以上のような構成で、全編、ひじょうにわかりやすく書かれている。
私にとって、これまで「わかりやすい」文章を書くための教科書は、本多勝一著「日本語の作文技術」(朝日文庫/1982)だった。今後は、この池上氏の本も座右の書としたい。

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