ハーン/シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47

シベリウスのコンチェルトは、フェラス、イダ・ヘンデル、リトル、ミンツ、カヴァコス、ムローヴァ、スヴェンセン、シャハム、ラクリン、ムター、サラ・チャンなど(他にもあるかも)を持っているが決定盤に欠ける。オケの巧さなど総合的にはカラヤン(フェラス)とも言えるが、レコード時代に最も回数多く聴いたのはヘンデル盤。最近のものではシャハム、さらにオケも含めてサラ・チャンの演奏がなかなか優れていると思う。
待望のハーンの最新録音を聴いた。カップリングはシェーンベルクのヴァイオリン協奏曲、オケはサロネン=スウェーデン放送交響楽団、2007年3月(シベリウス)、9月(シェーンベルク)、ストックホルムでの録音。
ハーンはやや線は細いが美しい音色で、音程も完璧で歌い方も極めて音楽的で素晴らしい。大きな跳躍でも音と音の間があくことがなく、そのため音楽の流れが滞ることがない。終楽章のメロディも弓をあまり飛ばさずにややテヌート気味に弾いている。第二楽章の叙情的な歌い方も見事で、ピアニッシモでも音が痩せず心に響く。全般的に技術的にゆとりが感じられることが特徴で、技巧的なパッセージものびのびとかつ楽々と弾いている。
オケは私にとって初めての団体だが、木管、ホルンも達者でサロネンともども好ましい演奏。録音のせいかもともとそうなのか、どちらかというと暖色系の音色で北欧のイメージからはやや隔たりがある。独奏ヴァイオリンの音像は中央やや左寄り、小さめであまりクローズアップされていないが、逆にその方が自然に感じる。クラ、ファゴット、終楽章のチェロのソロなどの、ふだんは埋もれてしまう細かい動きが自然なバランスの中でよく聴こえ、なかなか工夫された録音と感じた。以前のドイツ・グラモフォンの録音とは全く異なるものと言って良いだろう。録音クルーの名前を見ても私が知らないメンバーばかりで、ここでも世代交代が着実に進んでいることがわかる。

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