New Year's Eve Concert Berlin 1988

1月4日にTOKYO MXで放映された録画をやっと観た。
1988年12月31日のライブで、もちろん市販されているソフトだが私にとっては初めて観る全曲。カラヤンの亡くなる前年の演奏で、ベルリン・フィルとは最後の演奏会、映像モノとしてもこれが最後の作品となる。
最初の曲はプロコフィエフの古典交響曲(当初は「アイネ・クライネ」の予定だったらしい)。カラヤンはこの曲は一回しか録音しておらず(DG/1982)、貴重な映像。いやに残響の多い録音だが、オケは名演、とはいえ4管の大編成のせいか軽やかな演奏とは言い難い。弦(コンマスは安永)も繊細で、木管(ツェラー、シェレンベルガー、ライスター、ダミアーノ)も見事な演奏なのだが、どうしても敏捷さに欠けると言うか重厚さがつきまとう。この曲の性格上、小編成で歯切れよく演奏した方が効果は上がると思うのだが・・。カラヤンもかなり気合が入っており、メリハリのついた演奏であったとは思う。特にガヴォットは洒落たセンスが光っていた。終楽章はかなり難易度が高い曲であり、特に中間部のフルートの難所はツェラーといえどもやや不安定でハラハラさせられた。
2曲目、というかメインはチャイコフスキーのピアノ協奏曲。ソリストは当時17歳のキーシン。まだ子供のような風貌ではあったが、素晴らしく力強い演奏で堂々とベルリン・フィルと渡り合っていた。
カラヤンの創り出す音楽は、遅めのテンポでスケールの大きい、ライブならではの閃きや緊張感が随所に感じられる圧倒的な名演。キーシンも多少の不安定さもなくはなかったが、年齢やキャリアを考えれば大健闘と言える演奏。それにしてもカラヤンのソリストを包み込むかのような指揮ぶりにはあらためて感心した。
チャイコフスキーのピアノ・コンチェルト、私自身、この曲はコンドラシンとアルゲリッチによる超名演(PHILIPS/1980)の呪縛からどうしても逃れられないでいる。ひじょうに有名な曲であるにもかかわらず、CDも他にはアルゲリッチの新録(アバド=ベルリン・フィルDG/1994)とベルマン/カラヤン=ベルリン・フィル(DG/1975)くらいしか持っていない。今回のキーシンとカラヤンによる演奏はアルゲリッチの旧盤ともども、私にとってこれからのスタンダードとなるであろう演奏だった。

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