モーツァルト:ピアノ協奏曲21&24番(シュテファン・フラダー)

Stefan Vladerは1965年、ウィーン生まれのピアニスト。ドイツ語読みではヴラダーではなくフラダーだがヴラダーの表記が一般化している。ウィーン響のティンパニスト(Michael)、ウィーン・フィルのホルニスト(Wolfgang)の二人の兄がいる音楽一家。
さて、このCD(harmonia mundi)、最近買ったモーツァルトのCDの中では最も衝撃的でエキサイティングなのものだった(アーノンクールなどとはまた違った意味で)。ピアノ協奏曲第21番と第24番にはさまれて、幻想曲ニ短調とロンドニ長調K382が収録されている。オーケストラはカメラータ・ザルツブルク、指揮はフラダーが兼ねている。
フラダーのディスクはモーツァルトのソナタ集、マリナー=アカデミー室内Oの伴奏によるモーツァルトの第20番&25番のピアノ協奏曲、アンサンブル・ウィーン・ベルリンと共演したベートーヴェンの五重奏などを持っており、どれも私好みの名演だった。
マリナーとのコンチェルトのようなスタイルを期待して聴き始めたのだが、始めの1分間でその期待は裏切られることになった。オーケストラは現代楽器を使っているが完全な古楽器奏法でティンパニの音などは大変激しい。フレーズも息が長いものではなく短めの区切りを多用する。
ポリーニ&WPh盤は正統的かつオーソドックスな演奏の典型だったが、このフラダー盤は対極に来る演奏。自由な装飾も多く、自由闊達で生気に富み自由で伸びやかな演奏と言えるが、オケの響きはかなり刺激的であり、保守的な聴き手によっては眉を顰める人もいるだろう。私もその保守的な聴き手ではあるのだが、この演奏に限っては全面否定する気にはならなかった。特に21番では、なるほどこの曲はこのような演奏の仕方があったのかと感心させられる箇所が幾つかあったし、第二楽章のテンポ感など、これほどアラ・ブレーヴェらしい演奏は他にはなかったという印象を受けた。
http://zauberfloete.at.webry.info/200702/article_19.html
幻想曲ニ短調。フラダーの美しいタッチと音色、粒立ち。理想的な名演と思われたのだが、97小節、モーツァルトの絶筆になった箇所での驚き・・・。
これから聴く人のためにあえて書かないが、通常は、この先他の人に手によると言われるコーダ10小節を追加して終わらせるのが一般的で、内田光子のように冒頭に回帰するやり方もある・・。
第24番については詳細は省くが、ここでも大胆で思い切りの良い演奏で、この曲の新しい境地を開いたかのような演奏と言える。ただ、個人的には、ラルゲット(第二楽章)はもう少し禁欲的な演奏で聴きたい。

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