ブラームス:交響曲第1番~その5:ウィーン・フィルによるブラームス~

ウィーン・フィルによるブラームスの交響曲と言えば、バルビローリ、ケルテス、ベーム、バーンシュタイン、ジュリーニなどによる全集が思い浮かぶが、前回とりあげたカラヤン以外には、クライバー(4番)の名演も忘れてはならない。今回はその中からバルビローリ、ケルテス、ジュリーニの演奏を採り上げる。
●バルビローリ盤(EMI) 録音:1967.12/ムジークフェラインザール/
各楽章のタイム(15:30/9:30/5:08/19:12)
第一楽章は大変ゆったりと堂々たるテンポで開始、スケールも大きく余裕すら感じさせる。アレグロに入ってからもゆったりしたテンポで進む。ホルンの上手さは特筆。
第二楽章の鄙びたオーボエの音色は70年代以降は聴かれなくなった。ここでも素晴らしいホルン・・、吹いているのはローラント・ベルガーに間違いないと思う。
第三楽章も落ち着いたテンポで一貫。金管も極めて品が良い。
終楽章、序奏に続く圧倒的なホルン・ソロ。ここでもテンポは走ることなく一歩一歩踏みしめながら進む、という感じ。最後のコラールはもうこれ以上は遅くできないのではという限界の遅さ・・。
●ケルテス盤(DECCA) 録音:1973/ソフィエンザール/(15:51/9:00/4:42/16:30)
冒頭は、バルビローリ盤を聴いた後に聴くとずいぶん速めのテンポに聴こえるが、通常よりは幾分速めくらいのテンポだろう。アレグロに入ると良く歌い、音楽も流れる。提示部の反復をしているにもかかわらず(リピートのない)バルビローリ盤とほとんど同じ演奏時間なのは興味深い。
第二楽章も極めて美しい。一番ホルンはここでもローラント・ベルガー(に間違いないと思う)が吹いており、特に最後のヴァイオリンとのソロは思う存分吹きまくっているという感じで素晴らしい。
終楽章の序奏は21小節あたりから弦楽器が前に出るというちょっと聴きなれないバランス。ホルンは相変わらず凄い。アレグロ・ノン・トロッポ・マ・コン・ブリオ以降は軽快な足取りで流れる。メロディに合せたテンポの揺れ、適度なメリハリ、歌うところはしっかりと歌わせ、全般的な仕上がりも美しい。
●ジュリーニ盤(DG) 録音:1991年/ウィーン/(10:49/10:48/5:18/19:46)
演奏時間を見ただけでわかるように全楽章にわたり、ゆったりとしたテンポで壮大な演奏である。
第一楽章、力強い序奏、雄弁なティンパニ、ウィーン・フィルにしてはずいぶん現代的なオーボエの音色(トゥレチェクだろうか)。よく歌うチェロ。アレグロに入っても遅めなテンポで着実に進む。ホルンの咆哮とレガート奏法が印象的。
第二楽章、遅めのアンダンテ。ゆったりとしたスケールの大きい音楽。ヴァイオリン・ソロが美しい。
第三楽章は普通のテンポだが、中間部も速くはならずむしろ遅い。
アタッカで終楽章、インテンポを通す序奏、ホルン・ソロは美しいがベルガーのような迫力には欠ける。アレグロに入ってもテンポはあまり上がらず、コーダに入ってやっと少しストリンジェンドがかかるといった程度、スケールは大きい。
以上、あと、1970年代のベーム=WPh(スタジオ録音と東京でのライブ)についても採り上げたかったが、前者はレコードでは持っていたがCDに買換えておらず、また、後者もテレビ放送の記憶しかないため、今回は省略した。

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