ヴァントのモーツァルト:フルート協奏曲第一番

ギュンター・ヴァント指揮によるモーツァルト:「ポストホルン」、「セレナータ・ノットゥルノ」、フルート協奏曲第一番(ソリストはヴォルフガング・リッター:北ドイツ放送響首席)のディスク(Profil PH05006)を購入した。オケは、「ポストホルン」がバイエルン放送響、それ以外が北ドイツ放送響である。
ヴァントが伴奏したモーツァルト:フルート協奏曲第一番は、海賊盤(バイエルン放送響、ソリストはイレーナ・グラフェナウアー:JOY CLASSICS 9003)で数年前に入手したのだが、それが大変な名演であったことから今回も期待して購入した。
協奏曲のディスクで指揮者を重視する、というのもヘンな話だが、私はモーツァルトの協奏曲の場合は、ソリストをオケが伴奏するという構図よりも、オケの中にソリストがいる、またはソリストとオケは対等、という立場が本来の姿と考えている。
さて、モーツァルトのフルート協奏曲のディスクはざっと数えて約20枚は持っているのだが、オーケストラの提示部の演奏(テンポ、歌い方)は大雑把に言ってどれもだいたい同じ。が、アンドレアス・ブラウが吹いたカラヤン=ベルリン・フィル盤(EMI)と、上記グラフェナウアー&ヴァント=バイエルン放送響だけが明らかに異なっている。テンポもゆっくりめで、とにかく音楽が大きく、大変に私好みの演奏である(冒頭一拍目の四分音符と、二拍目の付点八分音符と十六分音符の歌い方が大きく異なるのが原因だと思う)。一部の人からは、協奏曲の伴奏をここまでやらなくても、という声が出そうだが、モーツァルトの指定は、Allegro maestoso(荘厳に、堂々として、威厳に満ちて)なので、これが正解なのだとも思う。実際、この響きに慣れてしまうと、他の演奏がいかにも軽すぎて物足りない。
ブラウ&カラヤン盤はややソリストが引っ込みがちだが、グラフェナウアー&ヴァント盤では適度の距離感とバランスを保っており、私にとってはこれが現在のベスト盤である。
今回購入した、リッター&ヴァント=北ドイツ放送響は、それより微妙にテンポが速めで、表情づけがより濃くはなっているが、概して旧盤(録音年代は実際にどちらが古いかわからない)に近い演奏と言える。リッターは、グラフェナウアーに比べるとやや洗練さに欠けるがドイツ的音色で格調高いモーツァルトを聴かせる。録音も優秀。
それにしても、今回、少し聴き比べをしてみて感じたことは、(私の耳が悪いせいなのか)フルートの音色というのはなかなか識別しにくいということで、自信を持って分かるのはゴールウェイくらい、あとはツェラー、トリップ、ズーンあたりはだいたい、グラフェナウアーあたりになるとブラインドで聴かされたら、ちょっと自信はない。もちろん、歌い方、音楽の作り方に差があるし、コンチェルトのディスクであれば、伴奏オケの様子(?)からだいたい想像はつくのではあるが・・。

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