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zoom RSS ベルリンフィル・メンバーのバロック・ソロ・ソナタ集

<<   作成日時 : 2013/06/27 23:25   >>

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タワーレコードのオリジナル企画、EMI×TOWER RECORDS「エクセレント・コレクション」第4回として今月下旬に発売されたばかりのCD。以前リリースされた、コッホが吹く「ヴェニスの愛」(BMG)のライナーノーツの中で井坂紘氏がこの録音についてふれていた。
http://zauberfloete.at.webry.info/200807/article_1.html
今回が世界初CD化とのことである。とにかく、コッホがソロを吹いているとあっては買わない訳にいかず早速入手した。曲目・演奏者等は下記の通り。
●ヴィヴァルディ:オーボエ・ソナタ ハ短調
ローター・コッホ(オーボエ)、ヴォルフガング・ベッチャー(通奏低音/チェロ)、ヴァルデマール・デーリング(チェンバロ)
●ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ 作品1-13
トーマス・ブランディス(ヴァイオリン)、ヴォルフガング・ベッチャー(通奏低音/チェロ)、ヴァルデマール・デーリング(チェンバロ)
●プラッティ:フルート・ソナタ ト長調
カールハインツ・ツェラー(フルート)、ヴォルフガング・ベッチャー(通奏低音/チェロ)、ヴァルデマール・デーリング(チェンバロ)
●J.C.F.バッハ:チェロ・ソナタ イ長調
ヴォルフガング・ベッチャー(チェロ)、クリストフ・カプラー(通奏低音/チェロ)、ヴァルデマール・デーリング(チェンバロ)
録音:1966年6月26〜29日 Studio Zehlendorf, Berlin
Producer:Gerd Berg/Balance Engineer:Ernst Rothe
1960年代半ばのベルリン・フィルの首席奏者たちによるバロック・ソナタ集ということで、ブランディス、ツェラー(プラッティという作曲家の珍しい曲を吹いている)、ベッチャーたちのソロももちろん素晴らしいが、ここではコッホのヴィヴァルディを採り上げる。
このハ短調のソナタは1974年録音のBMG盤にも収録されており、今回は二つの演奏を聴き比べてみた。なお、1974年録音盤のチェロはイエルク・バウマン、チェンバロはヴァルデマール・デーリング。
両者の演奏時間はだいたい同じではあるが、驚いたのはコッホの音色の違い。

○1966年録音(EMI) 演奏時間:2:35/2:12/3:59/2:20
華麗で艶やか、幅広く伸びやかな音色、柔らかくしなやかで軽やかな音楽づくり。装飾も多めで鮮やかな演奏。
○1974年録音(BMG) 演奏時間:2:16/2:07/3:31/2:15
強靭で太く艶やか、芯があり、やや硬質で、どちらというと乾いた、しかしマイルドな音色。落ち着いており、きっちりとした音楽づくりになっている。
前者の方が倍音が豊かで高音域がやや開いており、シュタインスの音色に近い感じがする。一方、後者は凝縮感がありコッホでなければ出せないある意味で力強い音色となっている。

念のため、両者に近い録音を聴いてみた。
○モーツァルト:オーボエ四重奏/ベルリン・フィル・ゾリステン(DG/1965)
強靭だがどちらかというと線は細く硬質な音色、低域はかなり存在感がある。
○モーツァルト:オーボエ四重奏/アマデウスSQ(DG/1975)
しなやかで柔らかな音色で高域は華やか。が、太い音ではない。
ということで、時代を追ってコッホの音色が変化した、ということでもないようだ。もちろん、録音の条件(会場、マイクの種類/位置など)の違いもその要因としては考えられるが、私は、録音時のリード(特にその材質)の状態によるものではないかとも思う。フルートや金管楽器などと違い、ダブルリード楽器の音色というのは結構リードに左右されるものである。
*個人的な話になるが、最近私が使っているリードの一本は、同じ制作者であるにもかかわらず、やや硬めの材質なのか、C(テナー記号第4線)は特に、それ以上の高音域の鳴りが良い上に全体的にひじょうに通る音質で、まるで楽器を替えたかのような吹き心地がする。

以下は余談となるが、このCDのライナーノーツには気になる点がいくつかある。
○「カラヤンはフルトヴェングラー時代の(ベルリン・フィルの)首席奏者をほとんど交代させ、トゥッティも若く有能な奏者を数多く採用した」という記述があるが、シュワルベはカラヤンが招聘したと言われているが、管楽器奏者については、カラヤンが交代させた人がいたという話は、私は聞いたことがない。
○チェロ・ソナタの通奏低音を弾いているチェリストは、クリストフ・ハブラー(Christoph Habler)と記載されており、「クリストフ・ハブラーの詳細は不明だが、ベルリン・フィルの楽員だったと思われる」という記述がある。
→ちょっと知っている人であれば、クリストフ・ハブラー(Christoph Habler)ではなく、クリストフ・カプラー(Christoph Kapler)の間違いであることはすぐわかる。
*カプラー(1933〜2010)は1961〜1998年にベルリン・フィルに在籍、12チェリステンのためのフンク:組曲ニ長調などの編曲者としても知られている。
http://www.die12cellisten.de/de/mitglieder/fruehere/christoph-kapler
○ヴァルデマール・デーリングについて、「60〜72年にデュッセルドルフ響などのティンパニ&打楽器奏者を務めた後、65年からベルリン・フィルの首席奏者を務めながら、チェンバロ奏者としても活躍した」と書かれているが、デーリングは1973〜1999年にデトモルトでハープシコードと打楽器の教授を務めてはいたが、ベルリン・フィルの(ティンパニの?)首席奏者を務めたという話は私は知らない。1965年頃のティンパニストはアウゲノリスとテーリヒェンのはずである。なお、デーリング氏は2000年代初めに亡くなっている。

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ベルリン・フィルHPにブランディス氏の訃報が載っている。 https://www.berliner-philharmoniker.de/en/news/detail/death-of-thomas-brandis/ ブランディス氏は1935年ハンブルク生まれ、1962〜1983年ベルリン・フィル第1コンサートマスター、1976年ブランディス四重奏団設立。ベルリン芸術大学、リューベック音楽大学、ロイヤル・アカデミー・オブ・ロンドンなどで教鞭をとる。 カラヤン時代のベルリン・フィルを、シ... ...続きを見る
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