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<<   作成日時 : 2008/02/05 21:12   >>

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管楽八重奏による「後宮」については、これまで私も何回か採り上げてきた。
http://zauberfloete.at.webry.info/200605/article_11.html
http://zauberfloete.at.webry.info/200605/article_12.html
最近、cherubinoさんという方による下記のブログで、このテーマについての詳細な記事があり、大変興味深く読ませていただいた。
http://gospels.cocolog-nifty.com/classic/2008/01/post_c17a.html
http://gospels.cocolog-nifty.com/classic/2008/01/post_f088.html
ヴェント版、ドナウエッシンゲン版に加え、もう一つの版(シュヴァルツェンブルク版)についての話が主な内容となっており、私自身、この版の存在自体知らなかったし、聴いたこともないと思っていた。
が、ショック(?)だったのは、そのシュヴァルツェンブルク版による2種類のディスクを既に私が持っていたことで、実際に聴いても(持っていたのだから少なくとも一回は聴いている)その違いがわからなかったということである・・。
ひとつは、オランダ管楽合奏団による演奏で、PHILIPSのモーツァルト全集のRARITIES & SURPRISES巻に収められている。エリック・スミスによる解説には、ドナウエッシンゲン版の話は出てくるが、当演奏についての具体的記述はなく、曲目(目次)の欄にはヴェント編曲と表記されている。一方、演奏者の欄にはオーボエ、イングリッシュ・ホルン、ファゴット、ホルンそれぞれ2名の奏者の名前が載っており(いわゆる通常のヴェント版はオーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン各2声部による八重奏である)、私も完全に見落としていた(聴き落としも重なっている)。
もう一つの演奏は、ENSEMBLE PHILIDORによる演奏(注:この合奏団は1992年にEric Baude-Delhommaisによって設立されたという現代楽器による団体で、古楽器を用いているフランスの同名の団体とは別の団体と思われる)。録音は1994〜95年ロワール、SUPRAPHONレーベルからリリースされている。
このディスクは楽器編成・演奏者のクレジットはないが、解説には、このCDで演奏されている「後宮(1783年)」と「ドン・ジョヴァンニ(1788年)」の楽譜は、ボヘミアのチェスキー・クルムロフのシュヴァルツェンベルク・コレクションの中から発見されたもので、モーツァルト自身による編曲かどうかはわからないが、ヴェントがイングリッシュ・ホルンを吹いていたチェスキー・クルムロフ・シャトーでの「ハーモニー」の編成で書かれている、と述べられている(Eric Baude-Delhommais)。一方、解説書前段にはJiri Zalohaという人の記述もあり、このCDでの「後宮」と「ドン・ジョヴァンニ」はヴェントによるオリジナルの編曲、とも書かれている。
実際の演奏を聴くと、ここでの演奏はやはりクラリネットではなく、イングリッシュ・ホルンによるもので、特にこの演奏では打楽器まで加えられている(注:この打楽器はEric Baude-Delhommais自身が「我々が加えた」と明記している)。
まとめると、通常のヴェント版と、この二つの演奏の違いは下記の通り。
@オーボエ、ファゴット、ホルン各2に加え、クラリネット2ではなくイングリッシュ・ホルン2の編成となっている。
A(楽譜を見た訳ではないので断言できないが)クラリネットとイングリッシュ・ホルンのパートは単純にそれらを置き換えた関係ではない――編曲自体に違いがみられる。
Bこの二つの演奏は、通常のヴェント版の3,4曲目が入替わる他、全8曲がオペラの曲順と一致するよう並び替えられている。
ということで、イングリッシュ・ホルンが入った版と、クラリネットが入った版はやはり別物と考えられるのだが、前者がヴェントのオリジナル(もしくは他人の手によるもの)で、後者がヴェントによる改訂版(またはオリジナル)なのか・・・、真相は誰にもわからない。
なお、どちらが優れているかと訊かれたら、やはりクラリネットが入っている版の方が音色の多彩さとフレーズの自在さで優っているように個人的には思われる。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
Zauberfloete様、こんばんは。いつも愉しく拝見させていただいております。また今回は、当方のブログの紹介までしていただき、感謝の言葉もありません。また、ENSEMBLE PHILIDOR盤の情報につきましては、非常に参考になりました。特にシュヴァルツェンベルク・コレクションに、「ドン・ジョヴァンニ」のハルモニー編曲があるというのは、初めて聞きました。また調べてみます。ありがとうございました。
cherubino
2008/02/08 23:27

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