最近読んだ本 2017/12

●「クラシック音楽とは何か」岡田暁生著(小学館/2017.11)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09388583
一見入門書のように見えるがそうとも言えない。「ジャンルに既になじんでいる人々にとっては今さら説明の必要もないのだが、しかし部外者にとってはどうにも要領を得ない、そういう死角のようなものが色々とあるのである。」そして、「だが何かの本質とは実は、まさにこの死角においてこそ、最も端的な形であらわれてくる。」という考え方を基に本書は書かれている。ひじょうに面白い内容だった。
「音楽の聴き方」 と並んで、クラシック音楽ファン必読の書。
http://zauberfloete.at.webry.info/200906/article_22.html

●「もっと音楽が好きになる こころのトレーニング」大場ゆかり著(音楽之友社/2017.11)
https://www.ongakunotomo.co.jp/catalog/detail.php?code=316030
本番で失敗しないために、「こころ」も練習すれば良い、という内容。5つの基本スキルとして①イメージの活用 ②緊張(心理的エネルギー)のコントロール ③ストレスマネジメント ④注意のコントロール ⑤目標設定 が挙げられている。 
方法論はいろいろと書かれているが、実際にそれを身につけるのはかなりの訓練/練習が必要に思う。イメージトレーニングはそれなりの効果が期待できそうな感じはした。

●「重蔵始末(八) 奔流恐るるにたらず」逢坂剛著(講談社/2017.11)
重蔵始末完結編。このシリーズが始まったのは2001年とのことなので、もう16年が過ぎようとしている。重蔵の晩年はそれまでの活躍に比べ地味なものになってしまったようだが、ひとりの一生を描き切るという意味で「重い」最終巻だった。なお、最後のシーンはいかにも逢坂氏という感じで印象的なもの。

●「65歳からの誤嚥性肺炎のケアと予防~9割の人は持病では死なない!~」大谷義夫著(法研/2017.11)
誤嚥というと、食べ物や飲み物を誤嚥する(顕性誤嚥)ことを直ぐに考えてしまうが、夜間睡眠中に口腔内の雑菌を含む唾液や胃酸が気道に流れ込むことによって起こる誤嚥(不顕性誤嚥)の方が多いらしく、その対策としてこまめな口腔ケアが必須とのこと。ちょっと認識を新たにした。

●「日本人とリズム感~「拍」をめぐる日本文化論~」樋口桂子著(青土社/2017.9)
日本人にとって「裏」は重要な役割を果たしていて、言語のリズムや詩歌の音律を支配しているという。西洋音楽のリズムが取れるか取れないかは、「ウラ拍」をうまく取れるか取れないかで決まるところがあり、「ウラ拍」の変形である「前拍」も感じ取ることができないと正しいリズムが取れない。そのような観点から日本人の感性とリズム感を分析している。ひじょうに興味深い内容だった。

●「歌の心を究むべし ~古楽とクラシックのミッシングリンクを求めて~」濱田芳通著(アルテスパブリッシング/2017.9)
コルネット&リコーダー奏者である著者による音楽エッセイ。古楽の専門家としてルネサンス、バロックにとどまらず、ジャズ、ラテン、往年の名指揮者の録音ほか広い領域に渡る刺激的な内容。難解な部分もあったがユニークで面白い。

●「似ている動物「見分け方」事典」北澤功監修、木村悦子執筆(ベレ出版/2017.9)
「ほっぺがふくらむハムスター、ふくらまないのはモルモット」、「耳ありアシカ、耳なしアザラシ」、「アブ寸胴、ハチくびれ」など似ている動物(陸、海、虫)の見分け方を絵入りでわかりやすく説明している。別に知らなくても日常生活に支障はないのだが。

●「もっと知りたい ゴッホの世界」圀府寺司監修(宝島社/2017.9)
ゴッホの名画100点がすべてカラーで載っており、作品解説も詳しい。圀府寺司氏監修。それにしてもやはり大きな(約30×20cm) 紙面で見ると迫力が違う。

●「カツ丼わしづかみ食いの法則 ナマコのからえばり」椎名誠著 (集英社文庫/2017.8)
椎名誠は「岳物語」の頃はずいぶん読んだが最近はすっかりご無沙汰していた。が、相変わらず(?)の様子で安心した。歳を取っても椎名さんのようにありたいと思う。

●「平原綾香と開く クラシックの扉」平原綾香著(東京新聞/2017.7)
東京新聞・中日新聞に連載された内容の単行本化。記事の執筆について、「記者がリサーチャーとなって資料を作り、それを基に平原さんが語りおろす」という形式で行われたとのこと。映画、文学、マンガ、ドラマ、舞台など親しみやすい切り口から、クラシック音楽のわかりやすい入門書となっている。

●「世界一豊かなスイスとそっくりな国ニッポン」川口マーン惠美(講談社+α新書 /2016.11)
新刊ではないがまだ読んでいなかったもの。在独35年の著者がスイスと日本には共通点がひじょうに多いと指摘、世界一豊かな国スイスと同じであるならば、日本人ももっと幸せを実感して生きたらどうかという提案を投げかける。

●「ぼくがいま、死について思うこと」椎名誠著(新潮文庫/2016.1)
単行本は2013年に出版されており、著者67歳の時の心境が綴られている。とはいえ、一人称の死についてはほとんど語られることなく、世界各地や歴史的に見た死についての記述が大半を占めている。

●「完本 管絃楽法」伊福部昭著(音楽之友社/2008.2)
https://www.ongakunotomo.co.jp/catalog/detail.php?Code=106830
「差音*」について書かれているという情報をあるサイトで読んで、早速借りてみた。
*差音:我々は、ある高さの音を聴く場合、常に、その高さの音が実在するものであると考えがちである。
もちろん、そのような状態にある場合が最も一般的であることは云うまでもないが、時に、我々の聴覚は、まったく実在しないいわば幻影に過ぎない音を聴き取る場合がある。ここに述べる差音が、その一つである。

上記「差音」についてはもちろん、各楽器について極めて詳細な説明がなされており、ひじょうに参考になった。

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