「楽器の歴史」

佐伯茂樹氏による著書はほとんど持っているつもりだったが、この「楽器の歴史」は持っておらず、たまたま図書館で見つけたため借りてきた。河出書房新社から2008年9月に出版されている。
本書は、佐伯氏の他の著書に見られるような管楽器に特化したものではなく、弦楽器、打楽器も万遍なく扱われれている。そして、各楽器奏者始め、楽器博物館、音楽大学などから借りて撮影したという多くの楽器の写真/図版が収められており、見ているだけでも楽しい。
さて、今回、私がこれまで知らなかったことで、読んでなるほどと思った点だけ以下のメモしておく。
●オーボエの内部構造
オーボエの管の内部は、非常に細い管が次第に広がっていく円錐形の形状をしている。(中略)管が細い分だけ音孔も小さく、最上部のものは直径が2ミリ程度しかない。したがって、演奏中に管内で発生する水分が溜まりやすいので、オーボエの音孔は全て表側に開けられている。

→それでも時々、水分が溜まる場面が見られるのはなぜなのだろうか。ファゴットは音孔が裏側(下向き)に付いているので、防水装置が付いていない楽器はどんどん水が出てきて大変なことになる・・・。

●アドルフ・サックスがサクソフォンに採用した一番のアイデア
半音順に開いている音孔を、複雑で連動するメカニズムを介することで、リコーダーと同じような簡単な指遣いで吹けるようにしたことであろう。この工夫がなければ、今日の隆盛はあり得なかったはずだ(オフィクレイドはこの問題で滅びてしまった)。

→複雑なメカニズムなしでも簡単な指遣いになるのだと思っていた。オフィクレイドの指遣いは難しかったということか。

●トロンボーンの構造~スライドというシステムが持つもう一つの利点~
スライドトロンボーンは、一時期、ヴァルヴで音程を変化させるヴァルヴトロンボーンにその座を奪われそうになった過去がある。ボタンを押す操作だけで音を変えることができるヴァルヴ装置に魅力を感じるのは当然のことであるが、実際にヴァルヴ式のトロンボーンを吹くと、多くの奏者は吹きにくいと感じるようだ。
実はそのように感じるのには理由がある。ヴァルヴを押して管が長い状態になっても、管の太さはそのままなので、短いときよりも抵抗を強く感じてしまうのだ。ところが、スライドは、図のように(省略*)、抜いて長くなった分だけ、管が太くなるので、息がスムースに入るように感じるというわけ。

*図は省略/トロンボーンのスライド部分は二重構造になっており、抜差管(可動部)は外側に取り付けられている。
スライドを抜かない状態:息は内側の管を通るので、管の太さは狭く感じる。
スライドを抜いた状態:抜いた分だけ息は外側の管を通るので、管の太さは広く感じる

→実際に吹いてみたことがないので実感はできないが、何となく納得できるものがある。

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