ベルリン・フィル首席奏者たちによる管楽アンサンブル作品集

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タワーレコード・オリジナル企画、「ユニバーサル・ヴィンテージ・コレクション・プラス Vol.16」のうちの一枚として6月上旬に発売された。曲目、演奏者等は下記の通り(原盤はドイツ・グラモフォン)。
●フランツ・ダンツィ(1763~1826):木管五重奏曲 変ロ長調 作品56の1
●カール・シュターミッツ(1746~1801):木管四重奏曲 変ホ長調 作品8の2
●アントン・ライヒャ(1770~1836):木管五重奏曲 ハ長調 作品91の1
フルート:ジェイムズ・ゴールウェイ(ダンツィ、ライヒャ)
オーボエ:ローター・コッホ(ダンツィ、シュターミッツ、ライヒャ)
クラリネット:カール・ライスター(ダンツィ、シュターミッツ、ライヒャ)
ファゴット:ギュンター・ピースク(ダンツィ、シュターミッツ、ライヒャ)
ホルン:ゲルト・ザイフェルト(ダンツィ、シュターミッツ、ライヒャ)
録音:1970年6月3~5日 ベルリン、Ufa-Tonstudio
プロデューサ:ヴィルフリート・デーニケ
ディレクター:ヴォルフガング・ローゼ
バランス・エンジニア:ハインツ・ヴィルトハーゲン
レコーディング・エンジニア:クラウス・ベーレンス
テープ・エディター:ハンス=ルドルフ・ミュラー、ゲーノルト・ヴェストホイザー

*なお、当録音時、ハイドン:木管五重奏のためのディヴェルティメントも一緒に録音されたという話もある。
http://zauberfloete.at.webry.info/200806/article_13.html

●ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~1791):ファゴットとチェロのためのソナタ 変ロ長調 K292(196c)
ファゴット:マンフレート・ブラウン
チェロ:ハインリヒ・マヨウスキ
録音:1963年10月30日~11月6日、ベルリン、イエス・キリスト教会
プロデューサ:ヘルムート・ナージャ(LPには記載されていなかった)
ディレクター:ヴォルフガング・ローゼ
エンジニア:ハラルド・バウディス

ということで、BPO首席奏者たちによる上記3曲と、ベルリン八重奏団によるベートーヴェン:七重奏曲
http://zauberfloete.at.webry.info/200901/article_17.html
にフィルアップされていたモーツァルト(初CD化された)が組合された構成となっている。ブラウンのモーツァルトK292が復活したことは喜びにたえない。
そしてとにかくジャケット写真が懐かしい。この写真を知らない人は、右から二人目のフルート奏者がゴールウェイとは決して思わないだろう。

さらに、もっと懐かしいのは解説書の最後のページ(表3)に載っている七重奏曲のジャケットで、裏表紙(表4)にはその解説面も載っている(ジャケットがモノクロ、裏面がカラーとなっているのが惜しい)。
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このジャケットを知っている人は、かなり古い音楽ファンの方だと思う。私は高校オケの先輩の家でこのレコードを聴かせていただいたのだが、私が購入した時は既に廃盤になっており、レゾナンス・シリーズ(廉価盤)になっていた。
なお、上記画像はインターネット上で探したものだが、解説書に載っている画像は上部枠内にモーツァルトの曲名が入っておらず、これとは微妙に異なっている(STEREOの文字が赤いかどうかとかいろいろなバージョンがあるらしい)。

さて、このダンツィ、ライヒャなどの演奏、私はDG eloquence(AMbient Surround imaging処理による)シリーズの輸入盤を持っていたのだが、今回は「オリジナル・マスターからのハイビット・ハイサンプリング(24bit、192khz)音源をCDマスターに使用」とのことで、聴感上も幾分改善されたようにも感じる。
演奏自体は言うまでもない素晴らしさ。オビに「ゴールウェイが参加した唯一のBPOメンバーとの室内楽」ある通り、ここでのゴールウェイの演奏はとにかく見事な素晴らしいものである。そして、コッホはもちろん、ザイフェルトやライスターも卓越した演奏を聴かせる。しかし、あらためてじっくり聴き直してみて最も感じたことは、ピースクの吹くファゴットの音色の(いわゆる普通の)ファゴットらしくない(?)こと。
幅広く深い、密度の高い、暖かく厚みのある、太くどっしりとした、などという言葉では形容できないほど、何かもっと大きく別な楽器のような音色に聴こえる。低音から高音まで、ベルベットのようなその音色は本当に美しい・・・。

もちろん、全体のアンサンブルとしても見事なものであり、単に名手が集まっただけでない、普段から同じオケの木管セクションとして演奏しているメンバーだからこそできるものだと思う(ゴールウェイは入団してから日は浅いが・・・)。
なお、ジャケットには Bläser der Berliner Philharmoniker と書かれており、ベルリン・フィルハーモニー管楽アンサンブルという表記があるが、Berliner Philharmonisches Bläserensemble という団体も現在は別に存在するようだ。
http://www.berliner-philharmoniker.de/ensembles/
ちなみに、1979年10月に来日したローター・コッホ以下のBPO管楽器メンバーは Bläser der Berliner Philharmoniker という団体名だった。
ここでの5人に限っては、合奏団として継続的に活動していた訳ではなく、当録音だけのために集まったものと思われる。

あと、このCDには木幡一誠氏による優れた解説が付いている(2ページ目には誤植もあるが)。
解説中、二人のファゴット奏者について、正式な退団年についてのデータが得られなかったとの但し書きもあるが、ピースクについては1987年、ブラウンも1990年代初め頃に退団したと思われる。
http://zauberfloete.at.webry.info/201206/article_6.html

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