モーツァルト:ディヴェルティメント 二長調K334(K320b)

1779年ないし1780年にロービニッヒ・フォン・ロッテンフェルトのために書かれたこの曲は、前作であるK287の変ロ長調のディヴェルティメントに比べると一段と深みを増している。ホルン2、ヴァイオリン2、ヴィオラ、バッソという編成の指定は、ホルン2に加え、ヴァイオリン2、ヴィオラ1、コントラバスという形を想定したものなのか、あるいは低弦にチェロ+コントラバスを想定していたのか、もしくは弦楽合奏のために書かれたのかはっきりとはわからないが、いずれにしてもヴァイオリンには高度な技術が要求されている。
有名な第一メヌエット始め、全六楽章が完璧なプロポーションで構成され、澄み切った明るさの中に淡い翳りをたたえたメロディや和声の美しさは格別で、モーツァルトの最高傑作のうちの一曲と思う。

私がレコード時代から愛聴してきた演奏は、ウィーン八重奏団によるディスク(DECCA/1961.4)。
先日店頭で、オーストラリアELOQUENCEシリーズのウィーン八重奏団によるモーツァルト:ディヴェルティメント集のCDを見つけたので、「このK334でヴァイオリンを弾いているのは誰でしょうか?」と店員に尋ねたところ、「私の記憶ではボスコフスキーだと思ったのですがちょっと調べてみます」とのこと。結局、アントン・フィーツ(上記録音)ということが判明したため、結局買わなかった(古い方の録音も確か発売されたような記憶があったのだが・・)。
家へ帰ってから一応CD棚を調べてみたところ、何と1950年6月に録音された古い方のCDが並んでおり驚く。1999年世界初CD化というオビが一緒に入っていたのでその頃購入したものらしい・・。ヴァイオリンのボスコフスキー以外は、1961年録音盤とまったく同一メンバーによる演奏。
久しぶりに(というかその時以来初めて)聴いてみるが、ひじょうに達者でセンス溢れるヴァイオリン、しかし1stヴァイオリンだけがマイクに近く、モノラルということを別にしても全体のバランスという面では不満が残る・・。いずれにしてもダブリ買いをしなくて良かったと思う。
そして驚いたことに、新しい方のウィーン八重奏団のCDジャケットには、先日観たばかりのマリー=ルイーズ=エリザベート・ヴィジェ=ル・ブラン:「マリー・アントワネットの肖像を描くヴィジェ=ル・ブラン」が使われていた。
http://zauberfloete.at.webry.info/201010/article_2.html

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