MASTER TAPE ~荒井由実「ひこうき雲」の秘密を探る~

MASTER TAPE という番組を見た(2/19 NHK BS2)。松任谷由実始め、松任谷正隆、細野晴臣、林立夫など当時のミュージシャン、さらにディレクターの有賀恒夫、エンジニアの吉沢典夫たちが、「ひこうき雲」の16トラックのマスターテープをコントロール・ルームで再生しながらこのアルバムの制作にまつわる話を語り合うという企画。スタジオでの実際のセッションも含め素晴らしい内容だったと思う。
完成までに一年以上かけられたというこのアルバム。「ブリティッシュとアメリカンの融合」という言葉を松任谷氏が語っていたが、今聴いてもそのサウンドは鮮度を失っていない。16トラックのマスターでなければ不可能な、ヴォーカルだけもしくは特定の楽器だけピックアップして聴かせてくれるという演出も大変面白かったが、他にもスティール・ギターの駒沢がずっと望んでいたという現在の自分との「協演」も、その執念が感じられた。
1973年といえばもう37年も前。私自身このアルバム(レコード)自体がひじょうに懐かしいが、歌っているユーミンはもちろん、関係者にとってもとりわけ思い出深いものであるということが話の中から伝わってきて、何とも言えない感慨深いものがあった・・。
ユーミン本人は「雨の街を」が好きだということは有名だが、私のお気に入りは何と言っても「ベルベット・イースター」。このアルバム全体を覆っている翳りと哀感に通じる具体的な情景が見事に表出されている名曲と思う。

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