バティアシュヴィリ/ショスタコヴィチ:ヴァイオリン協奏曲

昨日は書き留めようとは思わなかったのだが、一晩経ってもあれはやはり名演だったと思い直し、書いておくことにした(N響アワー)。
ヴァイオリン・コンチェルトといえば、バッハ、ヴィヴァルディ、モーツァルト、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキー、サン=サーンス(第3番)、シベリウス以外は聴かない私にとって、ショスタコヴィチはまったくの未知領域。曲自体には興味はなかったが、バティアシュヴィリが弾くのなら一応見ておこうと見始める。眠気もいっぺんに吹き飛び、見事なテクニックはもちろんのこと、くっきりと美しい音色、優れた音楽性、そして凄い集中力と発散するオーラ(?)に圧倒された。西村氏の解説にもあった終楽章へのカデンツァなど、会場で聴いたらさぞすごいものだっただろうと思う。やはり、曲は知らなくても訴えかける力が大きいとそれはきちんと届いてくるものだということを実感した。
余談になるが、当日の曲目はこのショスタコヴィチとシューベルト交響曲第8(旧9)番「グレート」との2曲プロだったらしく、その日のプログラムには「極度の絶望と皮肉に満ちたショスタコヴィチと、気高く楽観的なシューベルトという、考え得る限り極端に違う作品を対比」させたというジンマンのコメントが記載されていたとのこと。が、実際に演奏を聴いた何人かの人のシューベルトに対する印象はそれぞれ大変異なっていて面白かった(「Vn協奏曲の少し重く陰鬱な感じがシューベルトで長調により開放されそうでいてどこか開放されない様な感じで空恐ろしさが一層増した感じがした」、と言う人もいれば、「いたって凡庸でつまらん」、と言う人まで・・)。実際にはどうだったのか私は聴いていないので分からないが、少なくともこのショスタコヴィチがとびきりの名演であったことは間違いないと思う。
ちなみに、リサ(リーザ?)・バティアシュヴィリはグルジア共和国出身、1979年生まれ。16歳のときにシベリウス・コンクール2位入賞、その後世界中の一流オーケストラと協演。楽器は日本音楽財団から貸し出されているストラディヴァリウス1709年製「エングルマン」(テレビで見る限りひじょうに美しい楽器だった)、夫はフランソワ・ルルー。
なお、あらためてショスタコヴィチのディスクを探したところ、MIDORI/アバド=ベルリン・フィル(SONY/1995・1997)、ハーン/ヤノフスキ=オスロ・フィル(SONY/2002)が見つかった(持っていても聴いていない!)。今度聴き直してみようと思う。

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