ライナー・ホーネック/メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲

高木綾子さんのブログで藝大オケの定期でメンデルスゾーンのコンチェルトをやることを知り、聴きに行ってみようと思い調べてみたところ、ソリストは何とライナー・ホーネック。本番の前々日だったが急いで問合せてみるとまだチケットが残っていたため聴きに行くことができた。
私たちの演奏会を3週間後に控え、ホールでこの曲(特にファゴットを始めとした木管パート)が実際にどのように響くのかを自分の耳で確かめておきたかったことが第一の目的。
藝大フィルハーモニアという団体は、藝大の学生オケではなく、藝大に所属するプロフェッショナルのオケで、オーケストラ演奏を専門とする研究部員によって組織されているオケとのこと。ソロ・コンマスは藝大の准教授、フルートのトップは高木綾子さんなどで、なかなか優れた団体だった。
まず感じたのは、特に目立つところは別として、概して木管は埋もれがちになるということ、何回が出てくる伴奏のキザミはごくわすかなタイミングでソロより速めにした方が自然に聴こえること、第一楽章と第二楽章のつなぎのFgソロは(当たり前だが)ピアノでもよく聴こえること、そして、第二楽章中間部のEの音程(先日の練習の録音を聴いて我ながらひどい音程と思っていた箇所で、今回の演奏でもやや怪しかった)などの確認、また、終楽章のフルート、ヴァイオリンとFgの掛け合いはほとんど聴こえないことなどなど、いろいろな面で大変参考になった。
当初、指揮は高関健(結果的には後半のみだった)と思っていたのだが、ホーネックが一人で登場し、指揮台の上で弾き始めたので仰天した。この曲、弾き振りは結構難しいと思うのだが、オケはソロにぴったりと寄り添い見事な演奏だった。
ホーネックのヴァイオリンは、特に弱音での音色、歌い方がものすごく美しい(楽器はオーストリア国立銀行から貸与されている1714年製ストラディヴァリウスとのこと)。また、テンポの揺れやダイナミクスの振幅も大きく、歌うところはよく歌う。その意味で、なかなかロマンティクなメンデルスゾーンだったと思う。ただ、終楽章は、やや私の期待とは異なる歌い方や表情の付け方のところが何箇所かあった。もちろんそれはそれで美しいものだったが。
印象的だったのは、第一楽章終盤ピウ・プレストを比較的ゆっくりのテンポで始め、徐々にそしてものすごいアチェレランドをかけプレストに入ってからはあっという間に駆け抜けるという演出。
そして、アンコールはハイドンのヴァイオリン協奏曲の第二楽章。ピッツィカートの伴奏に乗って切々と歌うカンタービレ。天国的に美しいというのはこのような演奏のことを言うのではないかと思えるほどの超名演だった。

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