最近読んだ音楽関係の本

●「ビルギット・ニルソン~オペラに捧げた生涯~」:ビルギット・ニルソン著/市原和子訳(春秋社/2008.8)
1918年スウェーデン生まれの世界的ソプラノ歌手、ビルギット・ニルソンの自伝。1997年にスウェーデンの批評家によって選ばれるユーモア賞を受賞しており、広告コピーにも「抱腹絶倒」とあったのだが、それほどのシニカルさもなく、かなり真っ当な自伝と思った。小さな頃にその才能を見出され、幸運にも恵まれながら大オペラ歌手への道を着実に上り詰める・・。才能があったことももちろんだが、その努力にもあらためてオペラ歌手というのは大変な職業であることを実感した。カラヤンに関する記述(負のイメージとしての)も興味深い。
なお、この本の表紙は昔、「トリスタンとイゾルデ」のジャケット写真に使われたものだが、この写真に関する興味深い考察がある。
http://jurassic.exblog.jp/9686349/
http://jurassic.exblog.jp/9694463/
●「ストラディヴァリウス」:横山進一(アスキー新書/2008.10.10)
著者は写真家/ヴァイオリン制作者。弦楽器をテーマに写真を撮り続け、これまで300本以上のストラディヴァリウスに出会ったとのこと。「ストラディヴァリウス研究家」として、本書ではストラディヴァリの生涯、ストラディヴァリウスの特徴、価値、木材/音/ニスの謎、スパニッシュ・セット/タスカン・セットの歴史、ストラディヴァリウスを弾く演奏家、などの内容が興味深く語られる。さらに、冒頭に掲載された筆者自身の撮影によるストラディヴァリウスの名器の写真が多く載っておりこれがひじょうに美しい。著者自身が撮影時のエピソードとして、ダミーの楽器と置き換えてファインダーを覗いた瞬間、「レンズを通して映し出された楽器は、先ほどのダミーとは、その輝きが天と地ほどもちがっていた」と述べている。名器というものは外見からして群を抜いて美しいものなのだろう。
●「ビートルズへの旅」:リリー・フランキー、福岡耕造(新潮社/2008.04)
4人の生家から、ストロベリー・フィールド、ペニー・レイン、アビイ・ロードまで、リヴァプールとロンドンの写真とリリー・フランキーの文で綴るビートルズの生い立ちを辿る旅。伝記や話では知っていても、あらためてビートルズゆかりの地の写真を眺めていて感じるのは、やはり彼らのバックグラウンドがヨーロッパであるということ。ビーチ・ボーイズを始めとするアメリカのミュージシャンとの決定的な違いは、やはり生まれ育った風土が異なるということをあらためて実感した。

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