クリスマス協奏曲集

クリスマスにちなむディスクといえばたくさんあるのだが、毎年聴くものはだいたい決まっている。名盤「カンターテ・ドミノ」(proprius)と、レオンタイン・プライスがカラヤン=WPhの伴奏で歌ったクリスマス曲集(DECCA)、それに同じくカラヤンによるクリスマス協奏曲集(DG)がベスト3で、他にも金管合奏、合唱、歌もの、さらには山下達郎、ペギー・リーやホリー・コールまで数え上げれば切りがない。
さて、カラヤン=ベルリン・フィルによるバロック・クリスマス協奏曲集。コレッリ、マンフレディーニ、トレッリ、ロカテッリの合奏協奏曲に加え、私が持っているディスク(GALLERIAシリーズ)には、ベルリン・フィル金管合奏団によるガブリエリ、「きよしこの夜」他数曲が収められている。話はそれるが、この金管合奏(グロート&クレッツァー他)による曲集は素晴らしいアルバムで、LP時代に繰り返し聴いたものだったが、残念ながらオリジナルの形では未だにCD化されていない。ぜひ再発を願うものである。
この合奏協奏曲集は、1970年8月、スイス、サンモリッツのフランス教会での録音で、それほど大編成ではないものの、ベルリン・フィルの暗い音色を生かした、いかにもカラヤンらしいドイツ的な音楽づくりとなっている。古楽器による演奏がもはや標準(?)となりつつある現代において、このような演奏はもはや聴くことはできない。人によってはイタリア・バロックのこのような演奏をまったく受け付けない人もいるだろう。しかし、私にとってこの演奏は、同じ70年代にレコードで繰り返し聴いてきた忘れることのできない演奏であり、かけがえのないものである。さらに、このLPで忘れることができないのは、黒田恭一氏によるライナー・ノーツ。数ある黒田氏の著作の中でも、ここでの氏の文章はとりわけ印象深いものとなっている。
~「太陽が真上にあるときには気づかなかったアッピア街道の松のみどりが、黄昏どきになって、あざやかに目にうつり、そこに南の国を感じることがあるとすれば、ベルリン・フィルハーモニーの響きのかげりは、コレッリやトレッリに「イタリア」をきくのに、有効だったとはいえないか。(途中略)ここにはカラヤンの、おそらく永遠につきることがないと思われる、南の国への憧れがきこえる。~

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