「軍隊」の序奏のテンポ

録画しておいた「読響シンフォニックライブ」を観た。
今回は原田慶太楼の指揮、2020年7月4日サントリーホールでの収録。
曲目は、コープランドの作品と、
ハイドン:交響曲第100番ト長調「軍隊」。

あまり期待しないで見始めたのだが、序奏のテンポの尋常ではない速さに驚愕し、何度もプレイバックしてしまった。
このアダージョは、普通ゆったりと始められるのだが、原田の指揮は一小節を一つ振りするくらいの凄い速さ。
後で時間を計測してみたところ、23小節の序奏の演奏時間は約1分だった。

アーノンクールやノリントン、ミンコフスキもこのような速いテンポでは演奏していなかったので、私が知る限り最速の演奏ではないかと思う。

この序奏(と主部)のテンポに関しては、モーツァルトの楽曲で以下のような原則(?)がある。
<アンダンテ>は<プレスト>の半分の速さ、<アダージョ>は<アレグロ>の半分の速さで演奏すれば、序奏と主部に継続性を持たせることができる
https://zauberfloete.at.webry.info/201202/article_19.html

「軍隊」の序奏はアダージョ、二分の二拍子なので、原田の演奏はおよそ、
二分音符=46
の演奏となる。
そしてアレグロに入ってからの演奏時間は提示部リピート前までの101小節に約1分40秒かかっている。ということは、およそ
二分音符=121
となり、2.6倍という数字にはなるが、聴感上は普通の演奏に比べ、アダージョの一拍がアレグロの一小節(二拍)に近い感じに聴こえる。
その結果、主部へのつながりがより自然に感じられる。(この項、一部修正2020/10/18)


ということで、これまで演奏されてきた序奏のテンポはゆっくり過ぎだったのではとも思えてくる。
モーツァルト:交響曲第39番第一楽章の序奏も、ゆっくりしたテンポに慣れていたため本来の(?)テンポに違和感を感じたものだが、「軍隊」の序奏もこのように演奏されるべきなのかも知れないと思う。


序奏のテンポの話は以上。
さて、今回の演奏、弦楽器も人数を減らし、弦楽器も一人一台譜面台を使用、特に管楽器の間隔はかなり広く取った配置で行われていた。
特筆すべきは打楽器群。大太鼓奏者はルーテ
https://zauberfloete.at.webry.info/201807/article_3.html
も同時に叩いていたのはもちろん、驚いたのはシンバル。
左右大きさの異なる楽器を用いていた。
私は初めて見たが、あまり音が大きくならないように、ということなのだろうか。

演奏は全体的に躍動感があり、巧みな緩急、ダイナミクスの差も大きく、なかなか優れたものだったと思う。
メヌエットのフレーズの一部にちょっと重みを置いた演奏も個性が感じられた。
メンバーは、コンマス:日下、2nd:瀧村、チェロ:遠藤各氏、この三人は最強トップトリオで、リードの仕方も巧みで、演奏することの楽しさが伝わってくる弾き方は見ていて心地よい。今回、ヴィオラのトップサイドの女性もその意味で好ましかった。
木管はドブリノヴ、蠣崎、金子(眼鏡のせいか別人のようだった)、井上各氏。

なお、今回の放送内容は、BS日テレ/9月26日(土)朝7:00~8:00にも放送される。
https://www.ntv.co.jp/yomikyo/

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