羊飼いの笛

ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」第三幕開始早々、イングリッシュホルンによって奏される長大なソロ。
前奏曲に続いて(どこまでが前奏曲なのか)開始され、全体で42小節あり、2分以上に及ぶ。最初と最後の1小節はオケがかぶっているが、それ以外の小節は他に楽器がないまったくのソロ。これだけ長い「ソロ」はオペラ、管弦楽曲のなかでも他に例がないのではと思う。

第3幕 第1場 のト書き
城の庭園。一方には丈の高い城の建造物、もう片方には低い胸壁が連なり、見張り台で中断されている。背景には城門。岩がごろごろした高地とおぼしく、開口部を通して広々とした水平線が遠望される。全体が与える印象として、いかにも持ち主不在な感じであり、手入れがされておらず、ここそこで破損し、草ぼうぼうになっている。前景には、内側にトリスタンが横たわっており、大きな菩提樹の木陰の寝椅子の上で眠りながら、ぴくりともせずに五体を広げている。その枕元にはクルヴェナールが苦悩に満ちて、トリスタンの上にかがみこみ、注意深く寝息に聞き耳を立てている。幕が開くと、外から羊飼いの音楽が聞こえてきて、憧れに満ちて悲しげにシャルマイで吹き鳴らされる。・・・
以上「オペラ対訳プロジェクト」より。
https://w.atwiki.jp/oper/pages/48.html

その後も、羊飼いは「(イゾルデの乗った)船はまだ見えない」悲しげな旋律や、「船が見えた」ことを告げる明るい旋律などを吹く。

BS1スペシャル「オーケストラ・孤独のアンサンブル~希望編」(5/31放送)
https://zauberfloete.at.webry.info/202005/article_51.html?1591010014
にN響のオーボエ奏者/池田昭子さんが登場し、この「羊飼いの笛」の素晴らしい演奏を聴かせてくれた。
この哀愁漂うメロディは現在の先が見えない状況の象徴のようではあったが、いずれ船/希望が見えることを暗示しているのだろう。

N響は4月にヤノフスキ指揮で「トリスタンとイゾルデ」全曲を演奏会形式で行う予定だったが、コロナウイルス感染拡大の影響により中止された。

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