「ドン・ジョヴァンニ」序曲の序奏と主部のテンポ

ラルフ・ヴァイケルト著/井形ちづる訳「指揮者の使命~音楽はいかに解釈されるのか~」(水曜社/2019.9)という本を読んでいたら、「スコアへのアプローチ」の章、「テンポと拍子」の節で、下記のような記述があった。

演奏にとって決定的なのは、楽章あるいは楽曲全体におけるテンポのイメージ、テンポと拍子の関係性、拍子間の関係性です。たとえば古典派の作品の第1楽章のゆっくりした導入部は、それだけでは成立しません。常にそれに続く速い部分(ベートーヴェンに見られる例外は別です)との関係性の中にテンポはあるのです。(中略)
このようなテンポの関係性は、しばしば装飾音や伴奏音型からも問題なく認識されます。その良い例が「ドン・ジョヴァンニ」の序曲です。ヴィオラがゆっくりとした部分と速い部分を直接結んでいます。30小節目の32分音符が、モルト・アレグロの最初の8小節の8分音符になるのです。
(引用終わり)

ドンジョヴァンニ.jpg

なお、ここでの
「30小節目の32分音符が、モルト・アレグロの最初の8小節の8分音符になるのです」
という記述は、
30小節の32分音符は32個あるので、アレグロの最初の8小節(64個)ではなく、4小節(32個)の間違い
ではないかと思うのだが、
そのことはともかく、ヴィオラのキザミがそのままモルト・アレグロのキザミと一致していることは納得できる。
が、このように考えると、主部の速さは序奏のテンポの4倍ということにならないだろうか?

この序曲の冒頭/序奏はアンダンテ(2/2拍子)、主部はモルト・アレグロということで、
アンダンテーープレスト(「コジ・ファン・トゥッテ」序曲の例)
の関係に準ずるとすれば、
https://zauberfloete.at.webry.info/201306/article_2.html
https://zauberfloete.at.webry.info/201202/article_19.html
アンダンテはプレストの半分(プレストはアンダンテの2倍)の速さで演奏すれば序奏と主部に継続性を持たせることができる
という原則とは異なる、ということになる・・・。

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