マドリード・レアル劇場公演/「イドメネオ」

旅行で家をあけていると、帰宅後やるべきことが多くある。
・不在期間中のメールのチェックと返信
・ 〃 インターネット記事(音楽関係ニュース等)の閲読
・ 〃 新聞の閲読
などで、これらは2~3日中に終了したものの、最後まで残っていたのが録画した番組の視聴。少しずつ視聴してやっと全部観ることができた。
9/16深夜の「プレミアムシアター」、マドリード・レアル劇場公演でモーツァルト:歌劇「イドメネオ」。声楽ソリスト等は下記の通り。
○イドメネオ:エリック・カトラー
○イダマンテ:ダビー・ポルティージョ
○イリア:アネット・フリッチュ
○エレットラ:エレオノーラ・ブラット
○アルバーチェ:ベンジャミン・ヒューレット
○祭司長:オリヴァー・ジョンストン
○海神の声:アレクサンドル・ツィムバリュク
○演出:ロバート・カーセン
○合唱:マドリード・レアル劇場合唱団
○管弦楽:マドリード・レアル劇場管弦楽団
○指揮:アイヴァー・ボルトン
○収録:2019年2月25・27日/マドリード・レアル劇場

現代の難民キャンプや軍人といった設定もさほど気にならず、海景などのプロジェクションマッピングも効果的だったと思う。合唱団員が多すぎる気もしたが声楽ソリストは全般的に優れており楽しめた。

しかし、今回あらためて感じたことはモーツァルトの音楽の素晴らしさ。「イドメネオ」の音楽は断片的には知っていたのだが、今回通して聴いてみてその水準の高さに認識を新たにした。
特に第二幕の下記2曲のアリアはソリストの歌唱が見事だったこともあり、圧倒的に素晴らしかった。

○第11番イリアのアリア"Se Il padre perdei"(私は父を失いました 、祖国を、安らぎを けれどあなた様は私の父となり 愛に満ちた住み家となりました )ーーーNMAのスコア215ページ
http://dme.mozarteum.at/DME/nma/nmapub_srch.php?l=2
○第13番エレットラのアリア”Idol mio, se ritroso ”(愛しいお方、渋々とでも もうひとりの恋人があなたを私に返してくれても 私を厳しく責めないでください)ーーーNMAのスコア272ページ

まず後者。弦楽四部だけの簡素な伴奏ながら、ソリストの雄弁さは「フィガロ」の伯爵夫人のアリアなどと比べても遜色のないものとなっている。それにしてもこのアリア、なぜ私が知っていたのかどうしても思い出せない(誰かのアリア集に含まれていたのだろうか)。
そしてイリアのアリア。以前タックウェルのモーツァルト:ホルン作品集(DECCA)にこの曲が含まれていたので知っていたのだが、今回あらためて聴いてみて、一点気づいたことがある。
「後宮」、「コジ」、ハ短調ミサなどには、複数の楽器によるオブリガートが付いたアリアがあるが、このイリアのアリアのオブリガート楽器(フルート、オーボエ、ファゴット、ホルン)だけが、モーツァルトが1778年4月に作曲したとされる「管楽器のための協奏交響曲」のソロ楽器と完全に一致している。そして「イドメネオ」はその2年後の1780~81年に作曲されており、両者の間には似ている点があってもおかしくはない。
その意味で、このアリアのオブリガート楽器の響きは、失われてしまった「フルート、オーボエ、ファゴット、ホルンのための協奏交響曲」と共通する響きをはっきりとしたかたちで示しているように思われる。

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