最近読んだ本2019/8

●「本物の思考力を磨くための音楽学」泉谷閑示著(ヤマハミュージックメディア/2019.7)
「本質を見抜く力」は「感動」から作られる、というサブタイトルが付いている。
https://www.ymm.co.jp/p/detail.php?code=GTB01093093
精神科医でもあり作曲家・思想家でもある著者が、音楽を通じて知性の本質に迫る。
音楽の真の存在意義とは、感動体験を通じて「生きる意味」を実感し、人間的な知性を獲得することにある。そのためには、「生きた音楽」を体験しなければならない。

感心と感動、意味と意義、リズムと拍子、愛と欲望など個別になるほどと思った点は別にしても、全般的にやや網羅的で、一貫性/統一性に欠ける感じはしたが、「生きている音楽」が「人間らしさ」の支えになるという点は大いに納得できる。奥が深い本である。

●「フルトヴェングラーとカラヤン~クラシック音楽に未来はあるのか~」小川榮太郎著(啓文社書房/2019.7)
https://kei-bunsha.co.jp/archives/1424
この人は音楽以外の領域で有名な人らしいが、音楽評論/芸術論という面でひじょうに読み応えのある内容だった。個別には反論・異論もあろうが(私自身もあるが)かなりの聴き手であることは間違いない。カラヤンに限らず、ちょっと聴き直してみたいと思わせる記述が少なくなかった。

●「名曲理解のための 実用楽典」久保田慶一編著、神部智・木下大輔著(音楽之友社/2019.7)
前半が楽典の基礎、後半が楽典による楽曲分析ということで、ピアノ曲、歌曲、管弦楽曲など15曲を素材に課題形式で解説が行われている。まあこれに全問正解できなくても、普段の演奏活動に支障が出る訳ではない(もちろん必須の項目はある)。

●「オーケストラの世界」近藤憲一著(ヤマハミュージックメディア/2019.7)
「1冊でわかるポケット教養シリーズ」で、オーケストラに関わるさまざまなテーマが採り上げられている(入門者用)。篠崎、矢部、荒井各氏へのインタビューは興味深い点もあった。

●「新版 音楽家の名言~あなたの演奏を変える気づきのメッセージ~」檜乃武編・著(ヤマハミュージックメディア/2019.7)
作曲家、指揮者、ピアニスト、声楽家、弦楽器奏者などの言葉集。一応、カテゴリー分けはされているがかなりレベルが異なる。

●「病院で起こった不思議な出来事」南淵明宏著(マキノ出版/2019.7)
心臓外科医である著者が実際に経験したり、見聞きした「不思議な話」集。非科学的と言われればそれまでだが、どれも実際に起こったことであるらしい。信じるか信じないかは読者次第だろうが、個人的にはあってもまったく不思議ではない話ばかりのように思える。

●「60歳からはじめる『のどピコ体操』」高牧康著(PHP研究所/2019.7)
フレイル(衰え/弱まり)予防のための「のどピコ体操」ということで、のどや口の周り、呼吸などに関わる筋肉の運動性や操作性の衰えを防ぐ方法が紹介される。声を出すこと、それも裏声の方がのど全体の筋肉を使って運動していることになるという。さまざまな「音読ドリル」が紹介されている。

●「くらべてわかる 北斎VS広重」内藤正人著(敬文舎/2019.6)
富士、波濤、雨景、風、花火、美人画、役者絵、龍、鶴、朝顔、梅などなど、北斎と広重の作品の比較が行われる。作品単体よりもライバル(
?)の作品と並べ/比べたとき、また新たな発見があるということを実感した。作品はすべて大判カラーで美しい。

●「富士山噴火と南海トラフ~海が揺さぶる陸のマグマ~」鎌田浩毅著(講談社ブルーバックス/2019.5)
2007年に刊行された「富士山噴火 ハザードマップで読み解く「Xデー」」の加筆・修正版。2030年代までに高い確率で発生する南海トラフ巨大地震とそれによる富士山噴火はスタンバイ状態となったという。本書では富士山噴火による火山灰、溶岩流、噴石と火山弾、火砕流と火砕サージ、泥流、さらに南海トラフと富士山噴火の可能性/リスクなどについて述べられる。心の準備だけはしておきたいとあらためて思う。

●「定年夫婦のトリセツ」黒川伊保子著(SB新書/2019.4)
男性脳と女性脳の違い、そこから生じる行き違い、その防ぎ方/対応など、有益/効果的な示唆に満ちている。夫婦円満のためにも教えを実践したい。
なお、この人の著作を読んだことのない男性は一度は読んでおいた方が良い。
https://zauberfloete.at.webry.info/201609/article_25.html

●「ロマンシェ」原田マハ著(小学館文庫/2019.2)
ショックだったのは、半分くらい読み進んだ時点でも、以前読んだことがあるということを思い出せなかったこと。
https://zauberfloete.at.webry.info/201602/article_14.html
読んでから3年しか経っていないのに、まったく忘れているということに我ながら呆れ、危機感を抱いている。
なお、単行本には収録されていなかった、瀧井朝世による解説に加え、図録掲載の短編、ステーションギャラリー館長による解説なども載っている。

●「ヴィオラ母さん~私を育てた破天荒な母・リョウコ~」ヤマザキマリ著(文藝春秋/2019.1)
ヤマザキマリの母/リョウコさんとヤマザキ家のヒストリー。フィクションではなく、実際にあったお話であるということにあらためて驚くが、子どもを持つ親に限らず、人生というものを考えるとき、絶対に読んでおくべき本と思った。

●「駄目な世代」酒井順子著(角川書店/2018.12)
著者は1966年/昭和41年丙午生まれ。バブル世代の特徴として、受験戦争はラクラク通過、売り手市場の就職活動、苦労知らずでおめでたくて、50代になっても後輩気分などなど・・。かなり自虐的(?)な新世代論。

●「アラスカへ行きたい」石塚元太良、井出幸亮著(新潮社/2014.7)
「現代の”ゴールドディガー”たちに」というサブタイトルがついている。東南アラスカ、中南部とアラスカ湾岸地域、極北アラスカなどについて詳しい解説がされている。単なるガイドブックというよりは読みもののような内容になっている。

●「アラスカ」水口博也著(早川書房/2007.7)
写真家/科学ジャーナリストである著者のアラスカ旅行/探検記。星野道夫氏との旅はじめ、シャチ、ザトウクジラなどの撮影プロセスなどが語られる。文章の次の見開きはカラー写真と、ある意味詳しい解説の付いた写真集のような体裁になっている。見応え、読み応えがあり興味深かった。

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