J.S.バッハ:シャコンヌ/中川良平

先日、アッサンブラージュというファゴット四重奏の演奏会を聴いた(8/12 JTアートホール)。
https://kouen.snacle.jp/kouen/detail/8302
ローザンヌ室内管弦楽団、ベルン交響楽団の団員などにより構成されたアンサンブルで、前半はファゴット四重奏、後半はファゴット3本+コントラファゴットの四重奏という編成による素晴らしい演奏を聴かせてくれた。上を吹いたベノワ氏の演奏も見事なものだったが、個人的には下を吹いていた方の低音域の柔らかい音、さらにはコントラファゴットという楽器の表現力の大きさにあらためて感心させられた。
いずれにしても、自分がやっている楽器が主役の演奏会というのはなかなか純粋な聴き手に専念することはできない・・・。

その演奏会で、来場者全員に配布されたのが下記のCD。
〇ワイセンボーン:ファゴット練習曲集第1巻(CD2枚組)/西ノ村徳仁、野村和代
https://tower.jp/item/4944538/%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%B3-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%B4%E3%83%83%E3%83%88%E7%B7%B4%E7%BF%92%E6%9B%B2%E9%9B%86-%E7%AC%AC1%E5%B7%BB
〇蓼科クァルテット2017(CD3枚組+DVD)
https://tower.jp/item/4822516/蓼科カルテット(4Bns)-2017-%5b3CD+DVD%5d

コンサートの入場料より高価なCDを無償で配布してくれるとは本当にありがたいことではあったが、上記3枚組CDのおまけ(?)に付いていたのが下記のDVD。
〇J.S.バッハ/中川良平編曲:シャコンヌ
〇演奏:バスーン 中川良平、ピアノ Diana Torbert
〇収録:1985年8月13日/コロラド大学

中川良平の略歴は下記の通り。

1935年、京都生まれの指揮者、バスーン奏者。東京芸大を経て、1963年米国エール大学大学院を修了。アメリカ交響楽団、フィラデルフィア室内管、サンフランシスコ響の首席バスーン奏者を歴任。1978年より20年間にわたり、アスペン音楽祭の教授・首席奏者を務めた。一方、管楽器のための室内楽編曲の分野にも卓抜した才能を示し、その編曲作品は世界的に高い評価を得ている。1976年帰国。東京都響、新日本フィルを経て1989年から愛知県立芸大教授。1994年、現代管楽器によるJ.S.BACH演奏を提唱し「東京バッハ・バンド」を創立・主宰。ライヴCDなどをリリースして好評を博した。 (音楽出版社)

ファゴット奏者としては伝説的な人物で、私自身その録音を聴いたことがなかったのだが、YouTubeでは下記の演奏が聴ける。
https://www.youtube.com/watch?v=eKE5pUzjCII

さてこのDVD、画質はおそろしく悪いが、音質は一応水準程度。
有名な無伴奏パルティータ第2番第5曲「シャコンヌ」をファゴットとピアノ用に編曲したもの。
「ファゴットとピアノ伴奏によるシャコンヌ?」と思ったが、巧みな和声付けが行われているのに加え、ファゴットが吹く旋律線/パートもよく考えられており、まったく違和感を感じさせない見事な編曲となっている。なお、原調はニ短調だがここではイ短調になっている。
中川は椅子に座っての演奏で、最近では少数派となってしまったシートストラップを使用している。画質が悪いため、アンブシュアや指遣いの詳細はあまり確認できなかったが、柔らかすぎないクリアな音色で抑揚の豊かな素晴らしい演奏となっている。

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