モーツァルト:ホルン協奏曲第4番/ペーター・ダム新旧録音

先日、モーツァルトの「アレグロ マエストーソ」という記事を書いたところ、
https://zauberfloete.at.webry.info/201906/article_6.html
cherubinoさんから詳細なコメント/解説をいただいた。
そして、cherubinoさん自身のブログにこの曲の長さ(小節数の異同)に関する興味深い記事が掲載されている。
http://gospels.cocolog-nifty.com/classic/2019/06/post-452772.html
さらに、その続編としてペーター・ダムの録音に触れられている。
http://gospels.cocolog-nifty.com/classic/2019/06/post-771a17.html
ということで、ペーター・ダムの2種類あるモーツァルト:ホルン協奏曲第4番のCDを聴き直してみた。

●ブロムシュテット=シュターツカペレ・ドレスデン(eurodisc/BMG) 7:05/4:40/3:25
録音:1974年3月28~31日/ドレスデン、ルカ教会
VEB Deutsche Schallplatte Berlin/DDRと書かれてはいるが、LPの時はETERNAレーベルだった。
第4番第一楽章:アレグロ・モデラート(第2番第一楽章:アレグロ・マエストーソ)と記載。
なお、K412とK371の2曲に限って、わざわざ使用楽譜:ブライトコプフ&ヘルテル版と書かれている。

第一楽章36小節目後半からソロ・ホルンがオーボエと一緒に入ってこないので、版が通常と異なることがわかる。ソロ・ホルンの音型も少なからず異なっており、その後も随所(?)でカットがみられる。そのせいか、演奏時間も7分少しとかなり短い。さらに、第三楽章106小節の音が通常版とは異なるヘンな(?)音になっている。

ダムの音色は、しっとりと柔らかくやや明るめ(「ほの暗い」と表現する人もいるが、私的には暗くはないと思う)、わずかなヴィブラートをかけ、滑らかなフレージングで軽々と(難しさを感じさせず)演奏する。もちろん技術的にも完璧で見事なものだが、「ホルンらしさ」に欠けている、という印象は否めない。
なお、14年後のPHILIPS盤と比べても、ホルンおよびオケの音は当盤の方が自然で美しく聴こえる。

●マリナー=アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ(PHILIPS) 8:09/4:11/3:36
録音:1988年1月5~8日/ロンドン、セント・ジョンズ・スミス・スクウェア
第4番第一楽章:アレグロ・モデラート(第2番第一楽章:アレグロ・マエストーソ)と記載。
なお、ジャケットにはB管シングルホルンが使われているが、ダムが使っていたメーニッヒではない。
画像


使われている版は通常のもの。ダムの演奏は旧録同様素晴らしいが、気持ち音色がやや明るくなったように聴こえるのは録音のせいだろうか?
第二楽章では上昇音型にアチェレランドをかけたり、テンポを揺らしてかなり積極的な演出をしている。

●ペーター・ダム/Peter Damm(1937~)
テューリンゲン州マイニンゲン生まれ。1951年から1957年までヴァイマールのフランツ・リスト音楽大学でカール・ビーリヒのもとで学ぶ。
1959年 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席ホルン奏者
1960年 ARDミュンヘン国際音楽コンクール一位なし二位
1969~2002年 シュターツカペレ・ドレスデンの首席ホルン奏者
ドレスデンのカール・マリア・フォン・ウェーバー音楽大学で長年にわたり指導し、多くの国際音楽セミナーでも講師を務めた。
主使用楽器:旧東独メーニッヒ/B管シングル
http://www.hornistpeterdamm.de/en-instrument.html

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