ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調

来月末の演奏会でこの曲を演奏するのだが、プログラムの曲目解説を担当することとなった。
○作曲年代:1811年8月頃から準備、第7交響曲と並行して作曲、1812年夏に集中して作曲、同年10月リンツで完成
○初演:1814年2月27日作曲者自身の指揮によりウィーンにて
○特徴など:
・作曲者自身は同時に作曲した第7を「大きな交響曲」、第8を「小さな交響曲」と呼んでいた
・序奏がない第一楽章、緩徐楽章代わりの第二楽章スケルツァンド、メヌエット風(テンポ・ディ・メヌエット)の第三楽章、長大な展開部とコーダを持つ第四楽章
・強弱のコントラスト、音の跳躍、リズムの錯綜、思いがけない転調などが頻出し、随所に散りばめられた玄人向けの仕掛け、ユーモアの数々

などなど、これまで言われてきたことに加え、とりあえず、「ベートーヴェン〈不滅の恋人〉の探求」青木やよひ著(平凡社/2007)はじめ、インターネット上など最近の研究成果をあらためてレビューしてみた。
その結果、
○第二楽章のテーマは、ベートーヴェン自身による「メルツェル」のカノンの旋律を使用と言われていたが実はシントラーの捏造だった
○第三楽章トリオのホルンの旋律はベートーヴェンがカールスバートで聴いたポストホルンの旋律を基にしている
などに加えて、作曲された1812年の「不滅の恋人」との夏が、この曲の成り立ちに大きな影響を与えたであろうということ、など、私自身初めて知ることとなった。

第8番がベートーヴェンの交響曲の中で唯一、誰にも献呈されることがなかったのは、この曲が幸せな思い出や不滅の恋人/アントーニア・ブレンターノへの思いが満たされた、ベートーヴェンにとって大切な曲だったことによるのかも知れない、と考えさせられた。

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