「失われた手稿譜」

「失われた手稿譜 ~ヴィヴァルディをめぐる物語~」という本を読んだ。著者はフェデリーコ・マリア・サルデッリ、関口英子・栗原俊秀訳で東京創元社より2018年3月に出版されている。
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488010782
ヴィヴァルディの手稿譜がたどった数奇な運命を、史実を基に再構成したノンフィクション・ノヴェル。
著者のサルデッリは指揮者、演奏家、音楽学者、さらには作曲家、画家、風刺漫画化でもあるという多彩な才能を持った人。当時の記事や手紙、各種文献などを徹底的に調べ直すことによって、個々の出来事の関連を再構築し、小説仕立てにしたという。巻末には出典に関する注記も付いている。

20世紀になってから多くのヴィヴァルディの手稿譜が発見されたという話は漠然とは知っていたが、その詳細な経過については本書を通じて初めて知るところとなった。読み物としてもひじょうに興味深く、面白かった。
このような話を聞くと、今でも、ヨーロッパの貴族の書庫や修道院の倉庫などのどこかに、モーツァルトの失われた曲のオリジナルが残っているのではないかという空想をしないでいられなくなる・・・。

それはともかく、発見されたこのヴィヴァルディの手稿譜について、どんな曲が含まれていたのかという内容を知りたくなってくる。
この中に30数曲のファゴット協奏曲が含まれていることは何かで読んだのだが、日本語の文献でネットで調べられる範囲では、その内容として、
○全27巻、約450作品からなる
○数百曲の協奏曲、20以上のオペラ、数十曲のカンタータ、モテット、ソナタ、トリオなど
くらいしかわからない。
さらに、naive のヴィヴァルディ・エディション。
https://www.hmv.co.jp/fl/12/628/1/
「トリノ国立図書館のヴィヴァルディ手稿譜専門図書室に所蔵されているヴィヴァルディ手稿譜の膨大なコレクション(約450作品)の主要なものをすべてレコーディングする」ということのようで、録音された曲がこのコレクションに入っている曲ということになる。
アッツォリーニによるファゴット協奏曲の全集(全39曲)は完成したとのニュースを見たことがあるが、上記カタログ上では未だ完結していない。
ファゴット協奏曲以外では、有名なフルート協奏曲ト短調「夜」のオリジナル/室内協奏曲版(RV104)なども含まれている。
https://www.hmv.co.jp/artist_%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%EF%BC%881678-1741%EF%BC%89_000000000017791/item_%E5%AE%A4%E5%86%85%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E9%9B%86%E7%AC%AC2%E5%B7%BB%E3%80%9C%E5%AE%A4%E5%86%85%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E3%81%A8%E5%AE%A4%E5%86%85%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%BF-%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC_136236
作品10として有名な6曲のフルート(トラヴェルソ)協奏曲集は、ヴィヴァルディの存命中に出版されていたらしいが、そのオリジナル版(第4番を除く5曲)の手稿譜/筆写譜がトリノ国立図書館蔵であると下記の資料には書かれている。
https://casadesus.exblog.jp/18276318/

とりあえず、これらの分析/研究が進んだ結果が、Wikipediaにあるヴィヴァルディの楽曲一覧などに反映されているのだろう。いずれにしても800曲(以上?)というのは膨大な数である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%81%AE%E6%A5%BD%E6%9B%B2%E4%B8%80%E8%A6%A7

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