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zoom RSS シベリウス:交響曲第5番〜カラヤン盤聴き比べ〜

<<   作成日時 : 2019/04/07 21:11   >>

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第6番のカラヤン盤の聴き比べを行ったのは2006年の秋。
https://zauberfloete.at.webry.info/200609/article_10.html
第5番の聴き比べもやろうと思っているうちに12年以上が経ってしまったが、今回やっと実現することとなった。
ただし、12年前との物理的な相違点は次の通り。
○加齢の影響による私の耳の性能悪化(特に高音域)
○CDプレーヤー買換えによる音の変化
https://zauberfloete.at.webry.info/201705/article_14.html

さて、今回の対象であるベルリン・フィルとの2つの録音データは下記の通り。
●DG盤 録音:1965年2月/ベルリン・イエスキリスト教会/エグゼクティブ・プロデューサー:O.ゲルデス/プロデューサー:オットー・エルンスト・ヴォーラート/バランス・エンジニア:G.ヘルマンス
エディション:ヴィルヘルム・ハンセン
演奏時間:T(14:15)/U(8:24)/V(8:58)
●EMI盤 録音:1976年9月20・21日,10月18日/ベルリン・フィルハーモニー/プロデューサー:M.グロッツ/バランス・エンジニア:W.ギューリッヒ
演奏時間:T(14:08)/U(8:56)/V(9:05)

EMI盤はDG盤の11年後の録音だが、いつもながらカラヤンの解釈/コンセプトはほとんど変わっておらず、演奏時間もほぼ同じとなっている。あと、これはトラックの振り方にも依るのだが、楽章間のインターバルが、DG盤は普通なのに対し、EMI盤ではアタッカで第二、三楽章に続く(これはこれで効果的)ようになっている。

両録音とも名演と言えるが、DG盤はクリアで艶やか、やや冷たく近接した響きであるのに対し、EMI盤は温かく暗めのトーンでやや距離を置いた響きに聴こえる(ただし、以前のEMIほど緩い録音ではない)。
最も異なるのはティンパニの響き。第一楽章随所に現れる三連符、終楽章で信号のように用いられるピアノによる八分音符のスタッカート、トリルなどが、EMI盤ではクリアで乾いた響きで聴こえてくる(奏者はおそらくフォーグラーだろう)。DG盤ではこれほどクリアには聴こえてこない。
さらに、木管トップ奏者の違い。あくまで推測だが、DG盤はツェラーとシュタインス、EMI盤はブラウとコッホのように聴こえ、全体の響きの対比(クリア↔ウォーム)とは逆に、柔↔硬 のような木管の音色となっている。

第一楽章で個人的に注目するのは練習番号Kの3小節目からのファゴット・ソロ。ここでのソロは両盤ともおそらくピースク(ほとんど同じように聴こえる)。地味ながら芯のあるビロードのような音色でひじょうに美しい。
あと、練習番号Nの4小節前のロ長調に転調する前あたりから、Nの5小節後のアレグロ・モデラートへの持って行き方。DG盤はゆっくり動き出し(なかなか動き出さない)、後半の加速を見事に付ける演出、一方、EMI盤はゆっくりと陽が昇るような堂々とした持って行き方になっている。そしてEMI盤のコーダは熱い。

第二楽章は両盤とも特に木管が美しいが、個人的には艶やかで柔らかなDG盤の方が好み。練習番号Gへの追い込みはDG盤の方が激しい感じではあった。しかし、この楽章は本当に美しい。

終楽章アレグロ・モルト、DG盤の方はそれほど速くはないように聴こえるが物理的にはほとんど変わらないのだろう。注目すべきは、フルート、オーボエ、クラリネット、チェロのユニゾンで奏される印象的なテーマ。
https://zauberfloete.at.webry.info/200803/article_12.html
一回目、練習番号Eの12小節前からffで現れるこのテーマの歌い方は両盤ともさほど違わないが、二回目、練習番号Mの15小節前から(この時はフルートとクラリネットのみでpで奏される)、DG盤は凛々しいが優しく、EMI盤は少し遠くから懐かしむように聴こえてくる。
練習番号O前後からはDG盤が比較的ゆっくりで、金管 特にトランペットが輝かしいのに比べ、EMI盤はあまり粘らず、金管もテヌートをかなり効かせて華やかさを抑え込んでいる。

ということで、この曲の場合、1976年録音(EMI盤)の方が今の私にとっては好ましい感じではあった。
なお、この演奏はYouTubeで聴くことができる。
https://www.youtube.com/watch?v=yHAi9NMiuUE

画像


ついでながら、DG盤の5年前に録音されたフィルハーモニアOとの演奏も聴いてみた。
●EMI盤 録音:1960年9月20・21・23日/ロンドン、キングスウェイホール/プロデューサー:ウォルター・レッグ/バランス・エンジニア:ダグラス・ラーター
演奏時間:T(13:33)/U(8:13)/V(9:08)
フィルハーモニア管弦楽団とは2回目(1回目は1952年/モノラル)になる録音で、これはステレオ録音。なお、当録音が カラヤン=フィルハーモニアOによる最後の録音と言われている。
まず、録音面でかなり聴き劣りするのではないかと思っていたが、意外にクリアで良い音がしているのに驚く。が、オケの音色はやはり異なり、弦の響きはやや薄く、木管、特にオーボエは明らかにイギリスの音。ホルンも明るめ(この時代のホルンはシヴィルだろうか)だが、なかなか良い音をしている。
全般的に若々しく瑞々しい演奏で、オケの音色は別にして好感を持った。特に第一楽章前半の寄せては返す感じとか、練習番号Nの4小節前から3/4への移行など極めて自然な流れになっている。

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