ハイドン:交響曲第99番変ホ長調

今週末の演奏会でこの曲を演奏する。私がこれまで演奏したのはロンドン・セット12曲のうち9曲で、この99番が10曲目となる(残っているのは93、98番)。
ハイドンが2回目のロンドン旅行に出発する前年の1793年(ハイドン61歳!)に完成した交響曲で、初演は翌1794年2月10日(ロンドン)。
https://zauberfloete.at.webry.info/201403/article_14.html
念入りに作られた第一楽章序奏、調の設定や転調の仕方、対位法的な展開など様々な工夫がみられ、第二楽章の音楽の流れや調性の移り変わりなどは「ジュピター」交響曲の第二楽章を想起させるものがある。また、第三楽章メヌエット(変ホ長調)のトリオは遠いハ長調に転調し、メヌエットに戻るための18小節のコーダ(?)が付いている。
なお、この曲はハイドンが初めてクラリネットを使用した交響曲であり、同時に最もクラリネットが活躍する交響曲となっている。

「驚愕」、「軍隊」、「時計」などと比べると、知名度、演奏頻度ともかなり低いと思われるが、それらに匹敵する名曲と思う。さて。この曲の録音、
○フィッシャー=オーストリア・ハンガリー・ハイドンO(NIMUBUS)
○D.R.ディヴィス=シュトゥットガルト室内O(SONY)
○ヨッフム=ロンドン・フィル(DG)
○ディヴィス=ロイヤル・コンセルトヘボウO(PHILIPS)
○ディヴィス=ロンドンSO(LSO)
https://zauberfloete.at.webry.info/201407/article_18.html
○カラヤン=ベルリン・フィル(DG)
○アーノンクール=ロイヤル・コンセルトヘボウO(WARNER)
○ノリントン=ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ(VIRGIN)
https://zauberfloete.at.webry.info/201206/article_2.html
○ミンコフスキ=レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル(naive)
https://zauberfloete.at.webry.info/201006/article_1.html
○ヘルムート・ミュラー=ブルール=ケルン室内O(NAXOS)
○スラトキン=フィルハーモニアO(RCA)
などを持っていることは覚えていたのだが、先日突然、クーベリック=バイエルン放送響のライブ盤(ORFEO)を持っていることを思い出した*ので久しぶりに聴いてみた。
*ハイドンの棚ではなく、モーツァルトの棚に入っていた(モーツァルト:交響曲25・38番との組合せのため)のですっかりその存在を忘れていた。

●クーベリック=バイエルン放送響のライブ盤(ORFEO/1982ミュンヘン ヘルクレスザールでのライブ)
冒頭から深々とした重心の低い響き。遅すぎずあまり粘らない序奏、ヴィヴァーチェに入っても地に足がついた楷書的なきっちりした演奏、シンフォニックな響き。音の動きにマッチしたダイナミクス、微妙に揺らしたテンポがひじょうに自然な音楽の流れを作り出し心地よい。
第二楽章も嫋やかで静謐な響き。前打音などの装飾音符をゆっくり演奏しているのは指揮者の指示なのか。
第三楽章、スケルツォ的な速いテンポの演奏が少なくない中、ゆっくりしたメヌエットのテンポ。トリオもしなやかで優雅。
終楽章も生き生きとメリハリのついた躍動的な、しかし格調高い演奏。終盤のG.P.アダージョは特に念入りに奏される。
それにしてもオケの巧さ(オーボエはクレメントではないかと思う)は驚異的。弦も艶やかで、管楽器などとのバランスも絶妙でライブとは信じ難い完成度の高さとなっている。
これまで、ディヴィス=ロイヤル・コンセルトヘボウOの演奏(PHILIPS/1975、後にPentaToneからSACD化)がベストと思っていたが、クーベリック盤はそれ以上の名演ではとあらためて思った。

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  • 春の演奏会(その3)終了

    Excerpt: この春3回目の演奏会を終えた。天候にも恵まれ、多くの方々に聴きに来ていただいた。あらためて感謝の意を表したいと思う。今回のプログラムは下記の通り。 ○ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲 ○ハイドン.. Weblog: Zauberfloete 通信 racked: 2019-04-13 22:33