「同時奏法」

「教養としてのバッハ」(アルテスパブリッシング/2012.3)という本の第5章「バッハのクラヴィーア音楽~演奏者の立場から~」(加藤一郎著)を読んでいたら以下のような記述があった。

 この時代は「同時奏法」と呼ばれる奏法が広く用いられていた。同時奏法とは、ことなる声部で、異なるリズムが同時に用いられたさい、拍のなかの最終音を同時に鳴らす奏法である。たとえば、ある音価による付点にリズムが、その半分の音価によるリズムと同時に用いられた場合、もとの付点リズムは鋭化し、複付点リズムで奏されることになる。当時はまだ複付点音符が用いられていなかったために、同時に鳴らす音楽を楽譜の縦の位置をそろえて記すことで、同時奏法を示すことがあった。付点リズムを特徴とするフランス風序曲様式にはそうした例が多くみられる。
 同時奏法は、速いテンポの曲のなかで、付点リズムと3連符が同時に用いられた場合にもしばしば行われた。同時奏法を用いることによって煩雑な演奏を避け、リズムに統一感を与えることができる。
(一部略)フランス風序曲様式では、拍の後半に細かな音符が挿入されることが多いが、それらは拍のなかでリズムを後ろのほうに圧縮するようにすばやく奏された。フランス風序曲様式に特有な荘厳さや祝祭的な性格は、こうしたリズムの圧縮や付点リズムの鋭化と強く結びついている。


要するに、異なる音価の付点リズム(あるいは3連符)が同時に用いられている場合、拍の中の最終音を同時に演奏する→付点リズムの短い方の音に合わせて演奏する ということになる。

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