ブランデンブルク協奏曲/ゲーベル=ベルリン・バロック・ゾリステン

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ゲーベル=ベルリン・バロック・ゾリステンの「ブランデンブルク」を聴いた。
本CDは解説書がひじょうに充実しており、全曲の演奏者名、ゲーベルによる作品と演奏についてのノート、矢澤孝樹氏による解説、演奏者について、ソリスト・プロフィールなどが付いている。
以下演奏者(解説書を再編集)。

●ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調 BWV1046
ピッコロ・ヴァイオリン・ソロ:ロベルト・ゴンザレス=モンハス
ホルン:ラデク・バボラーク、アンドレイ・ジュスト
オーボエ:クリストフ・ハルトマン、ヴィオラ・オルロフスキー、アンドレアス・ヴィットマン
ファゴット:ギヨーム・サンタナ
ヴァイオリン:ダニエル・ゲーデ、町田琴和、バスティアン・シェーファー、ライマー・オルロフスキー、バルバラ・ドゥーフェン、ヘレーナ・ベルク
ヴィオラ:ヴァルター・キュスナー、クリストフ・シュトイリ
チェロ:クリスティン・フォン・デア・ゴルツ、シュテファン・フックス
ヴィオローネ:ウルリヒ・ヴォルフ
チェンバロ:ラファエル・アルパーマン

●ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調 BWV1047
ヴァイオリン・ソロ:ダニエル・ゲーデ
リコーダー:サスキア・フィケンチャー
オーボエ:クリストフ・ハルトマン
トランペット:ラインホルト・フリードリヒ
ヴァイオリン:町田琴和、ライマー・オルロフスキー
ヴィオラ:ヴァルター・キュスナー
チェロ:クリスティン・フォン・デア・ゴルツ、シュテファン・フックス
ヴィオローネ:ウルリヒ・ヴォルフ
チェンバロ:ラファエル・アルパーマン

●ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048
ヴァイオリン:ダニエル・ゲーデ、町田琴和、ライマー・オルロフスキー
ヴィオラ:マテ・スーチュ、ヴァルター・キュスナー、クリストフ・シュトイリ
チェロ:クリスティン・フォン・デア・ゴルツ、シュテファン・フックス、アレーケ・アルパーマン
ヴィオローネ:ウルリヒ・ヴォルフ
チェンバロ:ラファエル・アルパーマン

●カンタータ第174番「われ心より至高なるものを愛する」BWV174~シンフォニア(演奏者名省略)
●カンタータ第42番「されど同じ安息日の夕べに」BWV42~シンフォニア(演奏者名省略)

●ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調 BWV1049
ヴァイオリン・ソロ:ロベルト・ゴンザレス=モンハス
リコーダー:サスキア・フィケンチャー、ケルスティン・ファール
ヴァイオリン:ダニエル・ゲーデ、町田琴和、ライマー・オルロフスキー、クリストフ・シュトイリ
ヴィオラ:ヴァルター・キュスナー
チェロ:クリスティン・フォン・デア・ゴルツ
ヴィオローネ:ウルリヒ・ヴォルフ
チェンバロ:ラファエル・アルパーマン

●ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV1050
フルート:ジャック・ズーン
ヴァイオリン・ソロ:ロベルト・ゴンザレス=モンハス
チェンバロ:ラファエル・アルパーマン
ヴァイオリン:町田琴和、ライマー・オルロフスキー
ヴィオラ:ユリア=レベッカ・アドラー
チェロ:クリスティン・フォン・デア・ゴルツ
ヴィオローネ:ウルリヒ・ヴォルフ

●ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調 BWV1051
ヴィオラ:マテ・スーチュ、ニルス・メンケマイヤー
ヴィオラ・ダ・ガンバ:ウルリヒ・ヴォルフ、ハイディ・グレーガー
チェロ:クリスティン・フォン・デア・ゴルツ
ヴィオローネ:マルティン・ハインツェ
チェンバロ:ラファエル・アルパーマン

演奏:ベルリン・バロック・ゾリステン
指揮:ラインハルト・ゲーベル
ピッチ:442Hz、ヴァロッティ
録音時期:2016年7月11~15日、12月5日
録音場所:ベルリン、イエス・キリスト教会
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
レコーディング・プロデューサ&ポスト・プロダクション:フローリアン・B・シュミット
レコーディング・エンジニア:アキ・マトゥーシ

演奏に関して概して言えば、極めて挑発的でアグレッシブ、テンポの速さは類を見ない、ということになるが、言い方を変えれば、躍動感、疾走感、生命力に溢れた、艶やかな音色の緻密なアンサンブルと言うこともできる。
保守的な聴き手にとっては最初は抵抗があるかも知れないが、慣れてくるとこのようなアプローチもあるように思えてくる。
さて、ベルリン・バロック・ゾリステンによる「ブランデンブルク協奏曲」はこれまでに下記の録音があり、今回当盤と聴き比べてみた。
●ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調 BWV1047(RCA/1998.3)
ヴァイオリン・ソロ:ライナー・クスマウル
リコーダー:ミカラ・ペトリ
オーボエ:アルブレヒト・マイヤー
トランペット:ラインホルト・フリードリヒ
チェンバロ:ラファエル・アルパーマン
トランペットとチェンバロは同一メンバーだが、ヴァイオリン・ソロはクスマウルが弾いている。演奏時間は下記の通り。前者が当録音、後者がゲーベル盤。
第一楽章 4:36 4:13 
第二楽章 3:37 2:24
第三楽章 2:31 2:31
一聴してまったく異なるのは第二楽章。ゲーベル盤は単にテンポが速いというだけでなく、リズムの刻み方がクスマウル盤はレガートなのに対し、ゴツゴツと尖った音楽になっている(当然、メロディラインの歌い方も少なからず異なっている)。第一、三楽章はコンセプトはあまり変わらないが、クスマウルの音色は艶やかで芳醇でひじょうに美しい。

●ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV1050(EMI/2000.9)
フルート:エマニュエル・パユ
ヴァイオリン・ソロ:ライナー・クスマウル
チェンバロ:クリスティーネ・ショーンスハイム
両者の演奏時間は下記の通り、前者が当録音、後者がゲーベル盤。
第一楽章 9:11 9:33 
第二楽章 5:02 4:39
第三楽章 5:03 5:17
全般的に、パユとズーンのキャラクターの違いがそのまま表れており、クスマウル盤は艶やかで華麗、ゲーベル盤は地味で渋くなっている。クスマウルのヴァイオリンはここでもひじょうに美しく見事。

さて、ゲーベル盤の解説書には、「企画&マネジメント:ライマー・オルロフスキー(ベルリン・バロック・ゾリステン)」とクレジットされている。
ライマー・オルロフスキーはベルリン・フィルの2ndヴァイオリン奏者。
https://www.berliner-philharmoniker.de/en/orchestra/musician/raimar-orlovsky/
ベルリン・バロック・ゾリステンの創設メンバーであり、現在はベルリン・バロック・ゾリステンおよびコンチェルト・メランテ(古楽器による団体)の代表を務めている。
https://www.berliner-philharmoniker.de/ensembles/gruppe/concerto-melante/
たまたま、レコード芸術2018年4月号に、オルロフスキーのインタビューが載っており、ゲーベルにブランデンブルクを振ってもらおうと思ったのはオルロフスキー自身であり(ベルリン・フィルへのゲーベル招聘もオルロフスキーの提案によるものとのこと)、ソリストの人選もすべてオルロフスキーがゲーベルと相談して決定したとのことである。
また、当録音に関わるエピソードとして、一切妥協しないゲーベルの方針により、録音の一年間からリハーサルを開始したという話、予定されていたセッションに収まり切らず、別途全員が一日だけ空いていた12月5日夕方に第5番の録音を開始したが、チェンバロの弦が切れたため、最終的に録音が始まったのが深夜、終了したのは明け方だったという話、さらに、編集が終わったばかりのテープをフライブルクで入院中のクスマウルのもとへ届け、満足してもらったという話などが語られている。

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