ハバネラ

「ハバネラ」というのは、元々キューバの民族舞曲なのだが、「スペイン舞曲」として有名になってしまっている。「カルメン」の「ハバネラ」について、既に紹介済みの「オペラ名作鑑賞Vol.9 カルメン」(世界文化社/2009.2)に、
http://zauberfloete.at.webry.info/201807/article_7.html
井形ちづる氏による優れた解説が載っているので転記しておく。
さて、カルメンが歌う「ハバネラ」は、ジプシーの歌でもフラメンコでもない。(中略)実は、セバスティアン・イラディエル(1809~1865)の歌曲「エル・アレグリート」を基にして作曲されたものである。これは1864年、フランス語に翻訳され、「スペインの花」というタイトルで他の歌曲とともにパリで出版されたため、ビゼーはスペインの歌だと思って作曲したが、ハバネラというのはキューバの舞踏・舞曲及び歌のことで、首都ハバナにちなんだ名称である。イラディエルはキューバに住んだこともあり、クレオール(新大陸に定住した他国民、特にスペイン人と原住民との間に生まれた人たち、及びその子孫)の音楽から影響を受けたものと思われる。彼の大衆的なスペインの歌は、当時ヨーロッパや南北アメリカで大流行したらしい。「恋は野の鳥」では、ハバネラの典型的なゆったりとした2拍子のリズムが2種類使われている。ビゼーは伴奏に付点音符のはっきりしたリズムを刻ませ、カルメンに三連符のリズムで歌わせた。これによって微妙なリズムの揺れが生じ、滑らかに流れるように演奏されるとカルメンのじらすような妖艶さがにじみ出る。
上記、イラディエルの歌曲「エル・アレグリート」はyoutubeで聴くことができる。
https://www.youtube.com/watch?v=YFDurZPYTDU

また、「セギディーリャ」について同書には以下のように説明されている。
一方、監獄で縄を解いてとホセを誘惑しながら歌われる「セギディーリャ」は、スペインの舞踏及び歌のひとつだ。セギディーリャにはセギディーリャ・ヒナータ(ジプシーのセギディーリャ)、シギリージャ(フラメンコのカンテ・グランデのひとつ)などいくつかの変種があるが、このオペラで歌われるセギディーリャも、3拍子、長調、装飾的な音型など、18~19世紀のセギディーリャの面影を偲ばせ、弦のピッツィカートの伴奏がギター伴奏を暗示している。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック