「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル~セックス、ドラッグ、クラシック~」

ジャーナリスト、オーボエ奏者であるブレア・ティンドール著/柴田さとみ訳、ヤマハミュージックメディアから2016年12月に出版されている。
原書は、Mozart in the Jungle: Sex, Drugs, and Classical Music(Atlantic Monthly Press/2005.5)。
https://www.amazon.com/Mozart-Jungle-Classical-Tindall-Hardcover/dp/B01181DVM8/ref=pd_sbs_14_3?_encoding=UTF8&pd_rd_i=B01181DVM8&pd_rd_r=0848FGJZ5G4GQJ7TBZAD&pd_rd_w=5ZUg4&pd_rd_wg=XvnXd&psc=1&refRID=0848FGJZ5G4GQJ7TBZAD
「モーツァルト」の名前が入っていたのでとりあえず図書館から借りてみたのだが、読み始めても一体何の本なのかわからないような記述・・・。しかしすぐに、「このワグナーチューバはどこのだろう?パックスマンか?アレキサンダー?」という会話が出てきて、これはやはり業界の人が書いた業界の話であることがわかる。

これまで、クラシック/オーケストラ業界、現場の話は少なからず出版されてきたが、本書はそのサブタイトルからもわかる通り、かなり衝撃的な内容のスキャンダル暴露本で、実名で多くの演奏家、指揮者などが登場する。
著者はオーボエのフリーランス音楽家だったが一流オケの正ポジションを得ることはできず、結局ジャーナリストに転身することになるのだが、そこに至る紆余曲折、彼女の内面の葛藤などがリアルに描かれている。
プロの奏者でもリード用の水入れにフィルムケースを使っているとか、その日のリードのコンディションによって演奏の出来が大きく左右されるなど、専門的な領域での興味深い記述も少なくない。が、何より、ちゃんとした音楽の教育を受けながら、行き場所を見失う人たちの方が多いという音楽業界の厳しさをあらためて痛感させられた。さらには、一般大衆にとってのクラシック音楽とは、オーケストラ・マネジメントに関わるマーケティングとは、など考えさせられる問題提起が満載であり、関係者にとっては必読の書と思う。

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