「おもしろ吹奏楽事典」

渡部謙一、佐伯茂樹、松本たか子、生乃久法著、ヤマハミュージックメディアから2017年2月に出版されている。吹奏楽の基礎知識、吹奏楽曲エトセトラ、楽器マメ知識、マーチングバンド入門、という章構成になっているが、やはり、佐伯茂樹氏が執筆した「楽器マメ知識」の章が断然面白かった。以下、私も知らなかったことのまとめ。

●トランペット、コルネット、フリューゲルホルンの違い
フリューゲルホルンは狩りの現場で水牛などの角を吹き鳴らしたところから発展した楽器で、円筒形の管を持つトランペットとは違い、円錐形の管であることが特徴。その後、角ではなく金属で作られるようになると、管をコンパクトに巻いてビューグルという軍隊ラッパになり、このビューグルにヴァルヴを付けたのが現代のフリューゲルホルンになったとのこと。
一方、コルネット、そのルーツは郵便馬車の御者が吹いていたポストホルンで、19世紀に入ってこのポストホルンにヴァルヴを付けて自由に半音階を得られるようにしたのがコルネットの始まりとのこと。
なお、トランペットについては、
20世紀に現在のような管の短いトランぺットが登場したことによって、三種の楽器がみな同じ長さのB♭管に統一されるようになると、トランペット一本で演奏するケースが激増していったのです
という表現にとどまっており、F管トランペットなどにはふれられていない。

●バストロンボーンとは
テナーバストロンボーンとバストロンボーンの違いとは、ヴァルヴの数ではなく、両者の違いは管の太さだけで、どちらもテナートロンボーンの一種であるという。19世紀初頭までのバストロンボーンはF管で作られていたが、スライドが長いのでハンドルで操作したりする必要があり、また狭い場所では演奏し難いなどの問題があり、テナー/B♭管の太い管のものに置き換えられていった経緯があるとのこと。

●ユーフォニアムのコンペンセイティングシステムとは
今まで、セミダブルホルンと同じ構造、という漠然とした理解にとどまっていたのだが、本書ではわかりやすい説明がされている。
・第4ピストンを押した時(F管)に、正しい音程で半音階を得られる。
・ただし、トランペットでトリガーを抜かなければならない第1~3ピストンの指遣いの音程を自動的に補正してくれるものでもない。
・第4ピストン/F管を、低いCやHの替え指、または低音域での使用だけではなく、(セミ)ダブルホルンのように中高音域でも音程や音色を考えて両者をうまく使い分けることが重要である。

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    Excerpt: ●「おもしろ吹奏楽事典」渡部謙一、佐伯茂樹、松本たか子、生乃久法著(ヤマハミュージックメディア/2017.2) http://zauberfloete.at.webry.info/201702/ar.. Weblog: Zauberfloete 通信 racked: 2017-02-28 22:36