「究極の読譜術~こころに響く演奏のために~」

小畑郁男・佐野仁美著により株式会社ハンナより2016年3月に出版されている。
第1部 音楽の表現とは?
の章には下記のような記述がある。以下抜粋。

「拍子」は時間を均等に区分するものであり、「リズム」の本質は、楽譜に書かれることのない緊張と弛緩の連続的な交替にあるのです。

記号として書かれていないので気づきにくいですが、緊張と弛緩の交替を常に意識することは、音楽的に不可欠な条件であると言えるでしょう。

私たちは、「リズム」に、時間を均等に区分する性質を持つ「拍子」を重ね合わせた形で音楽のリズムを感じ、多くの場合、この音楽のリズムを習慣的に「リズム」と呼んでいます。

時間的な区分を行う「拍子」と、緊張と弛緩の連続した交替である「リズム」を重ね合わせることで、私たちは「連続的な変化」と「時間的な区分」を合わせ持った、いきいきとした「音楽のリズム」を手に入れることができるので
す。

リズムの周期は、伝統的に「緊張から弛緩への過程」として捉えられてきました。「緊張」を小節の後半、「弛緩」を小節の前半に割り当てるのが、楽譜の標準的な書法です。

リズムの本質は、連続的に交替する緊張と弛緩にありますが、この緊張と弛緩の関係を音のまとまりに重ね合わせたものが旋律の抑揚です。

小節線の前の短い音符にある緊張(Arsis/アルシス)が、小節の冒頭の長い音符で弛緩(Thesis/テーシス)するのが旋律表現の標準的な「抑揚の型」です。

「拍子における音のまとまり」の単位は小節です。対して抑揚は、リズムを背景とし、「緊張が弛緩するまとまり」として伝統的に捉えられていますので、小節線を越えて音はまとまります。

抑揚はリズムとアクセントの関係から、2つの型に分類することができます。
「リズムに基づくまとまり」において、テーシスの部分にある音符が1つの場合(男性リズム)には、音楽は緊張と弛緩を反復することになります。
しかしながら、テーシスの部分にある音符が複数の場合(女性リズム)には、小節冒頭の音符にアクセントが生じます。


ということで、音楽表現にあたっては緊張と弛緩の交替を常に意識することが必要である、という趣旨。
和声の流れの中での緊張→解放(弛緩)という説明はこれまでいくつか見受けられたが、
http://zauberfloete.at.webry.info/200907/article_26.html
http://zauberfloete.at.webry.info/201506/article_6.html
リズムの視点からの説明は私にとっては初めてだった。

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