アイネ・クライネ・ナハトムジーク/カンブルラン=読響

カンブルラン=読売日響のリハーサルを聴いた(2/11大田区民ホール)。
2/12(金)と2/14(日)の本番(「夜の歌」ということでなかなか気の利いた組合せだと思う)
http://yomikyo.or.jp/2014/12/555-1.php
http://yomikyo.or.jp/2014/12/184.php
を控えているため、リハーサルの曲目はマーラー7番と思い込んでいたのだが、前半はモーツァルトのリハーサルだった。
さて、カンブルランの指揮、この人をちゃんと(?)聴くのは今回が初めてだったが、この超有名曲を思いがけない斬新なやり方で聴かせてくれた。この曲をこのように聴かせてくれたのはこの人が初めてではないかと思う。
冒頭の演奏を聴いて、この曲は何拍子だったか思わずスコアを見返したくなった(スコアはアレグロ、四分の四拍子)。カンブルランは、冒頭二小節をワンフレーズに取って、前半二小節目後半の上昇音型をわずかにクレッシェンドし、後半二小節を答えのようにつなげつつ収め、この四小節を一つのまとまりと解釈する。その後も、二分の二拍子の拍節感で、音楽は上昇と下降、快活な流れと一瞬の停止/ためらいなど、絶妙な浮遊感を繰り返す。
ワルター=コロンビア響の演奏以来、この曲は本来の四分の四拍子として演奏されてきた。ある意味、それが正しい(?)のかも知れないが、カンブルランのようなやり方もあるのかとあらためて認識を新たにした。
そして、さらに驚いたのが第二楽章。ここでの指定は、ロマンス、アンダンテ、二分の二拍子。
http://zauberfloete.at.webry.info/201207/article_18.html
これまでの演奏は、ほとんどが、アダージョ、四分の四拍子だった。
今回のカンブルランの演奏はまぎれもない二分の二拍子の音楽。この演奏を聴いた瞬間、私はハイドン:交響曲第85番変ロ長調の第二楽章を思い出した(この曲の指定は、ロマンツェ、アレグレット、二分の二拍子)。
モーツァルトの時代の速度表記は、
アダージョ・モルト/ラルゴ →アダージョ →アンダンティーノ/ラルゲット →アンダンテ →アレグレット →アレグロ
の順に速くなるものとされていた(アーノンクール著「音楽は対話である」)ということで、アンダンテとアレグレットでは、アレグレットの方がわずかに(?)速い程度。
そして、アイネ・クライネの方は
八分音符、八分休符、八分音符、八分休符
ハイドン85番は、
四分音符、四分音符
とそれぞれ二拍が先行して楽章が始まっている。その意味でこの両曲は似ているのだが、これまで共通性を感じたことは一度もなかった。

そして、モーツァルトの「アンダンテ、二分の二拍子」というのは、「魔笛」でいえば第二幕第21曲フィナーレ「やがて朝を告げるために輝きわたるのは」(3人の童子、パミーナ) が同様の指定。
http://zauberfloete.at.webry.info/201506/article_20.html
通常演奏されるこの曲のテンポくらいで演奏したのが、今回のカンブルランの演奏。
ということで、モーツァルトが想定したアイネ・クライネ第二楽章のテンポは、これまで我々が考えていたテンポよりかなり速いものだったのではないだろうか?

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